好きになったヒト
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成人向完結
発行者:iroha
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2011/09/09
最終更新日:---

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好きになったヒト 第9章 未練3
土曜日、今回は本当に仕事のことが気になって職場へ出掛けた。
夕方からライブがあるので、それまでにもう一度調査計画を練り直したかったし、高校生組の資料にも目を通さないと、来月には藤村さんから正式に引き継ぐことになってる。

この前藤村さんがこの事務所に挨拶に来た。
久々の再会。
ちょっと見ないうちに、藤村さんは落ち着いた風格を備えていた。
タカヤさんとはそうでもないようだったけど、俺とは本当に久々で凄くうれしそうで、まるで親戚のおじさんが久々にあった甥っ子を愛でるみたいに喜んでた。
高校生組の担当はしばらく俺がする。
まあ、そうなるだろうとは思っていたけれど、セイジさんは勝手がわからないだろうし。


高校生の子の上げて来たデータに目を通す。
過去のデータも全て揃ってる。
昔自分が書いたものを開いてみる。
あの頃はこれで完璧と思っていたけど、やっぱ子供が書いたものだなとおかしくなる。
最初の頃はよく藤原さんに注意されたっけ。誤字脱字、言い回し、よく考えて見直してから提出しろって。

ユズルさんのもある。
ああ、ユズルさんらしいなっと思う調査計画。考察。
俺が入る前のもある。タカヤさんとよく組んでたんだな。というか、俺が入ってからもほとんどタカヤさんと組んでる。気が付かなかった。
タカヤさんが一緒にやりたがる訳だ。よっぽど、しっくりきたんだろう。
ユズルさん、俺と付き合いだしてからタカヤさんに会おうとしなかった。話題にも出さないし、俺がタカヤさんのことを話題にすると当たり障りのない返答しかしない。それが返って気になっていた。
もしかしたらまだ・・・。

ふうっと目を閉じる。
ユズルさん。
今日の夜はまた、ユズルさんに向けた歌を歌う。
けれど、少々それも意気消沈ぎみだ。
女の子と楽しそうにしている姿を見て以来、俺は自分の独りよがりに嫌気がさし始めている。

コンコンとノックの音。
俺は返事をする。
ドアを開けたのはセイジさん。

「お、お疲れ。」
「セイジさん。」
「何、仕事?」
「え、ああ、まあ。セイジさんは?」
「ん、俺も、まあそんなとこ。これ、一緒に食わねえ?」
セイジさんは手に持っていた袋を見せる。
ケンタッキー。
「え、いいんですか?」
「うん、なんか腹減ってて勢いで一杯買っちまった。」
ははっと笑う。

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