好きになったヒト
好きになったヒト
成人向完結
発行者:iroha
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2011/09/09
最終更新日:---

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好きになったヒト 第9章 未練3
「コーヒー入れますけど、飲みますか?それとももう帰ります?」

「ああ、もらう。」

タカヤさんの隣を通り過ぎようとした時、腕を掴まれる。
俺はタカヤさんの方を見る。
タカヤさんは俺に意味あり気な視線を向ける。
普段俺達には見せない男の顔。
俺は一瞬息を飲み、次の瞬間掴まれた腕を振りほどいた。
振りほどいた反動でフラフラと後ずさり、背中が壁に着いた。

「なんだよ。」
タカヤさんは余裕の表情で俺を見る。
なんなんだ。いったいどうした。
俺はこの状況にパニックになる。

「タカヤさん、落ち着いて。」
俺はなんとかその言葉を吐き出す。

「落ち着いてるけど?」
そう言いながら、タカヤさんは俺の腕を掴み力強く引き寄せた。

タカヤさんの腕が俺を抱きしめる。

「そんな恐がんなよ。大丈夫。おまえなんかをどうかするわけねえだろ。」
タカヤさんのやさしい声。

いつもなら、やめてくださいっとすぐにその腕から逃げていただろうけど、この時の俺にはそんな気力はなくて、ついうっかり甘えてしまっていた。

しばらくされるがままに抱き締められていたけれど、なかなか離れる気配がないので口を開いた。
「タカヤさん、あんまくっついてるとゲイだと思われますよ。」

タカヤさんはゆっくりと体を離して、冗談めかした言葉を吐く。
「試すか?」

俺はタカヤさんの腕から逃れて、ドアに向かう。
「部下で試すきですか、職場でゴタゴタは勘弁してください。」
と、俺も冗談を返す。

コーヒーを入れて部屋に戻る。
タカヤさんはケロッとしている。
俺も気にしていない風を装っているけれど、内心はそうはいかない。
よく考えたら、高校生の時にも一度抱きしめられたんだった。それをユズルさんに見られて・・・。タカヤさんって実はそっちなのか?いや、まさか。女好きで名が通ってるこの人に限って。まあ、両刀ということも考えられるけれど。

そんな俺をよそにタカヤさんはコーヒーをすすりながら、仕事の話しをしてる。
それからしばらくは忙しくてユズルさんのところへは行けなくなった。
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