好きになったヒト
好きになったヒト
成人向完結
発行者:iroha
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2011/09/09
最終更新日:---

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好きになったヒト 第9章 未練3
でも、ユズルさんだってもう大人だ。
急に現実を突きつけられた気分になる。
いままでの根拠のない自信が急に影をひそめてしまった。
一人よがり。
前が見えなくなりそうな不安が俺を襲う。

俺はフラフラと事務所の自室に戻っていた。
まるで子供みたいに、デスクに突っ伏す。
楽しそうに笑う二人の顔が脳裏に浮かんでくる。
掻き消しても掻き消しても、また浮かぶ。

しばらくぼーっとそれを繰り返していた。
彼女だって保証はどこにもない。
ただ一緒に帰っただけかも。でも、あまりにお似合いに見えた。
ユズルさんの女の子のタイプがどんなかなんて俺は知らない。
でも、きっとかわいい子がいいに決まってる。

コンコンとノックの音と同時にドア開く音。
俺は顔を上げずにドアの方をみる。
ひょこっとタカヤさんが顔を出した。

「あれ、おまえ帰んなかったっけ?」

「ああ、すんません。やり残したこと思い出して戻ってきたんです。」
と、俺は姿勢を変えずに適当な返事をする。

「・・・って風には見えないぞ。」

「え・・・。」

「なんだ、どうした?」

「いや、別に。」

タカヤさんは顔をしかめる。
「飲んでんのか。」

「飲んでませんよ。」
俺は仕方なく身体を起こす。

「すみません。ちょっと不貞寝してただけです。」

「不貞寝?」

「はい。思うようには行かないものですよね。」

「はあ?何言ってんだいきなり。なんかトラブッタのか?」
この人の頭の中はいつも仕事のことだな。

タカヤさんは俺に近ずくとポンっと俺の頭に手を載せて、子供にするようになでる。

「な・・・馬鹿にしてんですか?」

「いいや。単に慰めてやってるだけだけど。怒んなよ。」
ニコッと満面の笑みを俺に向ける。そう言いながら、俺の頭を撫でる。

俺ははぁっとため息を吐いて立ち上がる。
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