好きになったヒト
好きになったヒト
成人向完結
発行者:iroha
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2011/09/09
最終更新日:---

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好きになったヒト 第7章 未練1
親は何も聞かずに再び俺を家に迎えてくれた。
俺が戻る日には母さんは仕事を休んで迎えにきて、夕食には親父も揃った。体調のことや気分のこと学校にいけるかなど以外、事件のことについては何も聞かれなかった。
何も言わなくても伝わるものってあるんだということも分かった。
二人は俺を信じてくれたんだ。正直胸が痛んだ。
俺は本当なら犯罪者になってた筈だ。
けれど、チャンスが与えられた。

数日後、藤原さんに呼び出されて仕事の話しをされた。
皮肉な話だが、俺はやらかした犯罪の手腕を見込こまれて、やってみないかと言われた。
俺はまだいろいろなショックから完全に立ち直ってはいなかったけれど、俺を信じてくれる藤原さんに応えようと思って引き受けた。

藤原さんはそれからも俺の事を気に掛けてくれてよく会いに来てくれた。
ある日、調査で動いていた俺のところへ藤原さんがやってきた。
ある店の出入り客を見るために俺は向かいのビルの使われていない階の廊下の窓から、その店の様子を覗いていた。
そこへ藤原さんが合流。
あれこれいいながら、二人でならんで窓を覗いていた。
藤原さんは当たり前のように、俺に親切にしてくれる。俺はどうしてこの人は俺にこんなにしてくれるんだろう考えていると、いつの間にか窓の外を見ている藤原さんの横顔を見詰めていた。

藤原さんがふとこっちを見る。
俺の方をじっと見ている。
なんだろう。
俺はぼーっとそのまま視線を逸らすでもなく不思議な気持ちで眺めていた。

一瞬何が起こったのか分からなかった。
ヌルっと舌が差し込まれた感覚で我に返る。


「っ、、ん。」
抵抗しようとしたが、上手くいかない。
身体に上手く力が入らない。
まるで初めてキスをみたいに、身体が震えた。
濃厚で巧妙な口づけに溶かされて、唇が離れた時には頭がぼーっとしていた。

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