好きになったヒト
好きになったヒト
成人向完結
発行者:iroha
価格:章別決済
章別決済は特定の章でのみ課金が発生いたします。
無料の章は自由にお読みいただけます。

ジャンル:恋愛

公開開始日:2011/09/09
最終更新日:---

マイライブラリ
マイライブラリに追加すると更新情報の通知など細かな設定ができ、読みやすくなります。
章一覧へ(章別決済)
好きになったヒト 第7章 未練1
またタカヤさんと働けるということがうれしいのとタカヤさんを信頼していることで、事の本質を考えるのを忘れていた。

「俺達は、ていのいい兵隊ですね。」

「まあな。組織ってのはそんなもんだ。ある程度までは庇ってくれるさ。」

当たり前のように言って退けるタカヤさんは妙に大人びて見えた。
以前からそういう部分にブレの無い人だけれど、改めてそういう人だと確信する。

「どうした?不安になったか。」

「いえ、今さらですね。」
俺は笑って返す。

「そろそろ、出ようか。おまえは明日も仕事だろ。」


俺はタカヤさんと別れて、一人で駅へ向かって歩く。
もうすっかり冬だ。
夜更けの外の寒さは流石に身に染みる。
コートの前を会わせて手で押さえて歩く。
身を寄せ合って歩くカップルが目に着く。

ユズルさん。会いたいという衝動に駆られる。
どうしてるんだろう。
俺のことなんかもう忘れてしまってるんだろうか。
そう考えると苦しくて身動きができなくなる。どうしたらいい、この思いを。
無意識に立ち止まっていた足を再び動かす。
大丈夫、俺は歩けてる。一人でも、歩けてる。
自分に言い聞かせる。
一人でも立っていられるようにならなくては、タカヤさんのように。
ユズルさんが戻って来た時に負担を掛けない様に。
そう自分に言い聞かせて、一歩一歩前へ進む。

ユズルさん、あなたがいないと歩くことさえ俺は儘ならない。
50
最初 前へ 47484950515253 次へ 最後
ページへ 
ページの先頭へ