好きになったヒト
好きになったヒト
成人向完結
発行者:iroha
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2011/09/09
最終更新日:---

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好きになったヒト 第7章 未練1
広げていた書類を脇に避ける。

俺は早速食べ始める。

「おまえがそんながッついて食べてんの珍しいな。」

「え、ああ。そうですね。確かに。なんか今日は腹が減って。」

「にしても、でかくなったよな。おまえ。」

「え?」

「初めて会ったときは、まだガキの顔してたのに。成長したよ。」

「そう、ですか?まあ、背は伸びましたね。」

「うん、最初会ったときは怯えた顔してたけどな。」

「はは、なんですか。怯えてないですよ。」
何を言うんだこの人は。

「怯えた顔してたよ。」
タカヤさんはもう一度繰替えす。

怯えて、いたかもしれない。世の中を恨んでた。そんなもんだと思いながらも、どこかでどうして自分だけがって思っていた。

「じゃあ、タカヤさんが恐かったんじゃないんですか?」

「俺?まさか、俺みたいなやさしいお兄さんいないぞ。確かあのとき、ユズルもいたな。」

藤原さんに連れられて、初めて事務所へ行った時のことを思い出しす。
ああ、そういえばあの時、タカヤさんとユズルさんとユミさんがいた。

「ユミさんもいましたね。懐かしいな。みんなどうしてるんでしょうね。」

「結局、ユズルには声を掛けなかったんだ。」

ユズルさんの名前に過剰に反応しない様に気をつけて、何気なくタカヤさんを見る。

「どうしてですか?」

「あいつには、残留を断られたから、今さらまたこっちにひっぱるのはどうかと思ってな、最終まで悩んだんだが。あいつがいてくれると助かるし。」

「そうですね。」

「あいつは俺ともおまえとも違った視点を持ってるから」

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