好きになったヒト
好きになったヒト
成人向完結
発行者:iroha
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2011/09/09
最終更新日:---

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好きになったヒト 第5章 恋愛4
信じらんねえ、あいつ。

“ユズルさんは学生だ。”
そういうつもりでいったんじゃないと分かってる。けれど・・・頭にきた。

どうしろってんだ。
じわっと目頭が熱くなる。

くそっ。
なんで・・・。

足早に駅まで行って、電車に飛び乗り歯を食いしばる。

下りた駅のトイレに駆け込む。
だめだ・・・。
涙が溢れ出す。
なにを、なにを泣いてんだ俺は・・・。
便器の蓋をしてその上に座りこむ。

ジーパンの上に、ぽたぽたと水滴が落ちる。
自分でもよくわらないまま、次から次へ溢れてくる。
なんなんだよ・・・。
声が出そうになるのを必死で堪える。
トイレットペーパーで目を押さえる。

こんなに、俺はあいつに染まって・・・。
全部あいつでいっぱいで。
こんな些細なことで・・・。

どうなってんだよ、俺は。
自分が情けなくなる。

あいつはちゃんと仕事して自分のキャリアを積んでるのに、その間俺はあいつのことで頭がいっぱいなのに、それを知られたくなくて会いたいのも、連絡したいのも、会いに来てくれて死ぬほどうれしいのも必至で隠して・・・。

何度か、トイレのドアがノックされた。
そのたびにノックし返した。
駅のトイレだ、相手は切羽詰まっていることだろう。けれど、泣き顔で出て行って顔を合わすのはものすごく気まづい。

少し落ち着いたので、ぼろぼろになったティッシュをトイレに流して、ドアを開ける。
誰もいない。よかった。
水道で顔を洗う。

鏡に映った自分の顔を見て嫌になる。
目が真っ赤だ。
いい歳の男が何を泣いとんだ。
もう大人だぞ。
簡単に泣くなよ。
自分に言い聞かせる。

簡単には泣いてねえよと反論したくなる自分がいるが、掻き消す。
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