好きになったヒト
好きになったヒト
成人向完結
発行者:iroha
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2011/09/09
最終更新日:---

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好きになったヒト 第4章 恋愛3
「もう行かなくていいんじゃない?」

「え、ああ。いや、今日はいかないと。ごめん、マナト。」
申し訳なさそうにする顔を見るとしょうがいないと思える。

そっと額にキスをする。
「あんま、女の子に愛想振りまかないで。あ、男にも。」

「なんだよ、それ。」
閉じ込めておきたい。俺の傍に縛り付けておきたい。
そう思ってるのは俺だけなのか。
少し不安になる。

「そろそろ行かないと。」
ユズルさんは身体を起こす。

「行くなよ。」
ユズルさんの手を引く。

「マナト、困らせるなよ。」
ユズルさんは俺の手を払う。

「せっかくの休みなのに。」
駄目だと思いながらも言ってしまった。

「だから、会いに来ただろ。俺だって忙しいときだってあるし、疲れてんだ、困らせんな。」

わかってる。

「疲れてるなら飲み会なんかいかなきゃいい。」

「あのな、付き合いってもんがあんだよ。社会人ならわかんだろ。」

「ユズルさんは学生だ。」

「何言ってんだおまえ、今日おかしいぞ。」
ユズルさんは手早く服を着ると、俺を見る。

「やべ、もう行かないと、じゃあ、またな。見送んなくていいから寝てろ。」
ユズルさんは部屋を出て行く。

「ユズルさん。」
名前を呼ぶ。
聞こえなかったか・・・。

確かに、俺はおかしいのかも。

それから、ユズルさんからの連絡はない。

2週間後。俺は久々のライブ。
一応ライブの案内メールはしたけれど、連絡はない。

久々にライブ前にアツキさんのところへ行った。

「お。マナトか、久しぶりだな。」
アツキさんは笑顔で迎えてくれる。

「どうも。ご無沙汰してます。」

「ん?なんか雰囲気がかわったな。なんか、男らしくなったな。」

「そうっすか?」

「ああ、ちゃんとした仕事に着いたな。」

「ああ、まあ。そうっすね。」

「だろ、やっぱな。男は稼いでなんぼだ。って、ほど俺が稼いでるわけじゃねえけどな。」
ははっとアツキさんは笑う。

「社会人と学生って違いますよね。」

「ん?どうした?」

「いや、生活パターンが違うと言うか。」

「なんだ、学生の彼女でもできたか。」
さすが、アツキさん。鋭い。

「まあ、そんなとこです。」

「仕事、仕事って、私と仕事どっちが大事なのってやつか?」
アツキさんは俺の爪の下処理をしてる。

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