好きになったヒト
好きになったヒト
成人向完結
発行者:iroha
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2011/09/09
最終更新日:---

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好きになったヒト 第4章 恋愛3
奥から女の子が現れる。
ユズルさんの傍へよって何かを耳打ちする。
二人は何か秘密の話でもしたように笑い合う。
狭いカウンターの中で身を寄せた二人が妙に親密に見えてしまう。

なんとなく寂しい気持ちになる。
俺は目を逸らして、時計を見る。時刻は8時過ぎ。
事務所に顔でも出すかな。
ここのところ全く顔をだせてなかったけれど、まだ引退はしていない。

俺は席を立つ。
ユズルさんが俺に気がついてレジに来てくれる。

「もう帰るの?」
俺を見るユズルさんの顔。

「はい。顔見れたし。」
俺は素直な感想を言う。

ははっとユズルさんは少し照れ臭そうに笑う。
「コーヒーは俺の奢り。」

笑った顔が愛おしい。バイトの子達との約束なんかやめて俺と居てと言いたくなる。
ぐっとその言葉を飲み込む。

「そうだ、日曜だけど、ごめん。結局夜は出なきゃならなくなった。それと、明日は一日ここだ。一人辞めちまって、今日はその送別会。」
ユズルさんが言う。

俺は頷く。
「はい。俺明日はちょっと職場に顔出さなくちゃいけなくて。じゃあ、日曜起きたら電話ください。」

「わかった。」

俺は店を出る。
明日の仕事は本当はどうでもよかった。
ただ、ユズルさんがバイトなら、少し片付けに行こう、そう思っただけ。
結局、事務所には寄らずに帰った。

日曜日ユズルさんから連絡があったのは、午後になってから。

「ごめん、マナト。寝過した。」

「いえ、大丈夫ですか?」

「ああ、昨日はオールだったから、終わってからもバイトの子に引っ張られて。」

「そう。じゃあ、今日はどうする?」

「俺、夜出なきゃなんねえからな。あんま時間ねえけど、今から行って平気?」

「いいですよ。」

玄関を開けると、ユズルさんは寝起きの顔で立っていた。
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