好きなヒト
好きなヒト
成人向完結
発行者:iroha
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2011/09/09
最終更新日:---

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好きなヒト 第12章 再生1
「これ以上は行かない方がいい。」
携帯の明かりに照らされた男をよく見ると、制服を着てる。
高校生かよ。

「どういう・・・。」
「ずっと前からあいつらを尾けてたよな。なにしてんの?」
「えっ。」

俺があいつの周りにいたのを知ってたのか。
「そっちこそ・・・何してんだよ。こんなとこで。」

「俺?俺は・・・仕事。」
当たり前のように仕事と言ってのける。
そんなら、俺だって。
「・・・俺もだよ。」
そいつは俺をじっと見る。信用してないな。

「とにかく、ここは危ないから帰れ。来た道を戻れ。」

「どうした。」
別の声がした。大人の声だ。
声のした方を見ると、誰かがこっちへ向かって歩いてくる。

「迷いこんじゃったみたいで。」
高校生が答える。
「はあ?」
暢気な返事をしながら人が寄って来た。
近くまでくると明かりに照らされて、少し容姿が見える。
スーツを着てる。サラリーマン?
背が高い。

俺をじっと見てる。

「ああ、そっちも動いてたか・・・。」
そっち?

「駅まで送ってやれ。」
スーツが言う。

「ええっ。」
高校生は嫌なようだ。

「文句言うな、行け。」
「はい。」
高校生は渋々俺の腕を引っ張る。

「ちょっと。」
俺はまだ戻るわけにはいかない。引っ張られた腕を振り払う。

「こらこら、少年。言うことを聞きなさい。ここは危ない、お兄さん達はあそこの子供たちを助けに来たんだから、心配ないよ。キミの上の人にも言っとくから。」
「えっ。」
「お兄さん?」
驚く俺をよそに、高校生はぼそっと呟く。お兄さんというフレーズが気に入らないようだ。

「なんか文句あっか?」
スーツが高校生を睨む。

「いえ、なにも。ほら、行くぞ。」
高校生が俺の腕を引っ張る。

“キミの上の人”、どういうことだ?俺達のことを知ってるのか・・・。
それって問題なんじゃ。

俺は引っぱられるまま、来た道を引き返す。
ある程度くると、腕を離してくれた。
俺は隣を歩く高校生を眺め眺める。

「仕事って、なに?」
「さあ。」
「教えろよ。」
「教えない。」

高校の制服を着ているけど、暗くてよく見えない。

駅の明かりが見え始めたところで、そいつが急に振り返る。
さっき俺達が来た方をじっと見てる。

「なに?」
訊いてみた。
「別に。」
そいつは険しい表情をしているけれど、なにも教える気はないようだ。
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