好きなヒト
好きなヒト
成人向完結
発行者:iroha
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2011/09/09
最終更新日:---

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好きなヒト 第10章 迷う心3
次の日、10時半に事務所に到着。
もう誰か来てる。

藤原さんだといいな、と思いながらドアを開けた。

「お、早いな。」
タカヤさんだ。
「お疲れ様です。タカヤさんこそ早いですね。」
「うん、暇だったんでな。」

タカヤさんはパソコンの前に座ってデータベースを見てる。
これまでの調査記録でも見てたんだろう。

俺は近くの椅子に鞄を置いて、冷蔵庫を開ける。
お、コーラのペットボトルが入ってる。
飲み掛けってわけじゃないし、名前も書いてない。飲んでしまおう。

俺はそれを取り出して飲む。

「あ、自分ばっかり、俺にも寄こせ。」
タカヤさんが俺に向かって言う。
って言われても、これ1本しかないし。

俺はタカヤさんに歩み寄ってペットボトルを差し出す。

「えー、おまえと間接チューかよー。」
「文句があるなら、コーラは諦めてください。」
「しゃあねえなぁ。」

タカヤさんは俺の手からペットボトルを取る。

「あ、また爪に色付いてる。」
「え、ああ。」
「今回は全部だな。」
「はい、サービスしてくれたらしくて。」

俺の手を取ってまじまじと見ている。
「器用だな。」
「ほんとですね。」
「そうえいば、話し途中だったよな。」
「え?」
「この前・・・」
タカヤさんは俺を見る。

この前?
無表情に立ったままの俺を見上げる。

「タカヤさん?」
ふいにタカヤさんは俺の手に唇を寄せたかと思うと、ぺろっと舐めた。
「ひっ」
俺は驚いて反射的に手を引っ込める。
けれど、その手を掴まれて、反対に勢いよく引っぱられた。

俺は体勢を崩して、タカヤさんに抱き止められる。

「あ、の・・・」
俺はすぐに体を離そうとしたけれど、抱きすくめられて思うように動けない。
「タカヤさんっ、ちょっと。」

真横にあるタカヤさんの顔。
もがく俺をめずらしそうに見てる。
「あの、タカヤさん、離してください。」
俺は冷静に言う。

ドアが開く。
入ってきたのは、ユズルさん。

ユズルさんは固まってる。
空気が凍るのを感じた。

「えっと・・・悪い、邪魔した・・・」

えっ・・・。
ユズルさんの表情。

ユズルさんはくるっと向きを変えて出て行ってしまう。
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