好きなヒト
好きなヒト
成人向完結
発行者:iroha
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2011/09/09
最終更新日:---

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好きなヒト 第10章 迷う心3
これからライブだっていうのに。

取りあえず、“了解”と返信。
メールを削除。
一抹の不安が残るが、今はライブに集中しよう。

歌い終わってフロアに顔を出す。
今日はいくつかのバンドが出てる。バンドとバンドの繋ぎで一旦演奏は止まっている。

アツキさんを発見、すぐには近寄らずに眺めてしまう。
懐かしい光景。
やっぱりあの人はライブハウスが似合う。ネイルサロンよりもホストクラブよりも。
すぐにでもギターを持たせてやりたくなる。

でもアツキさん、老けたな。
って言ったら怒られるだろうけど、ライブハウスにいたころから比べると大人の顔してる。

アツキさんが俺に気が付く。
俺は手を上げて近寄る。

「なに見てたんだ?」
「アツキさんを眺めてたんですよ。」
「はあ?」
「やっぱりライブハウスが似合うなって。」
「そうか?」
「はい、ギター持ってほしくなりました。」
「もう、ずっと弾いてねえよ。」
っていいながらネイリストの癖に、爪はギリギリまで切ってある。

「やっぱお前歌上手いな。」
「そうですか?」
「ああ、いい声してる。」
「ありがとうございます。今日はスターですからね。」
俺は爪を見せる。

「ああ、もっと歌えよ、歌ってるときいい顔してるよ、お前。」
「やめてくださいよ。」
俺は恥ずかしくなる。
「なーに、照れてんだ。こっちが恥ずかしいわ。」
「マリさん、来れなかったみたいですね。」
「ん、ああ、そうだな、見てないな。終わったら打ち上げか?」
「はい、たぶん。でも、俺はもう帰ります。」
「は?打ち上げ行かないのか?」
「はい、さいきんはゲストなんで、歌って帰るパターンです。」
「なんだ、それ。」
「いいんです。歌いに来てるので。」
「ふーん、そっか。」

アツキさんが帰るまで一緒にライブを見て、すべてのライブが終わるまでライブハウスには居るけれど、打ち上げはパスして帰る。

明日は、事務所へ行かないと。

11時だっけ。
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