好きなヒト
好きなヒト
成人向完結
発行者:iroha
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2011/09/09
最終更新日:---

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好きなヒト 第9章 迷う心2
「ユズル」
「ん?」
「マナトだけど」
「ああ」
「大丈夫かな、あいつ」
「大丈夫って?」
「危なっかしいんだよ。なんか、さいきん。」
「ああ、さいきんっていうか、前からけっこう無茶するからな。」
今さら何を。

「そうなのか?」
タカヤは意外そうにいう。
本当に気づいてなかったようだ。


「まあ、いつも上手く切り抜けて来てるみたいだけど。」
「そうなんだ。」
「でも、今回の件はやばいんじゃないのか。」
「そうだな。今度釘刺しとかないと。」
タカヤは顔をしかめている。

藤原さんが付いてるから大丈夫だろうけど。
タカヤには二人のこと言うべきじゃないよな。

「マナトってあんま家に帰らないよな。当番だとずっと事務所に居ないか。」
タカヤが続ける。
「ああ、たぶん家が複雑なんだよ。」
俺は前から感じていたことを伝える。
「へえ。誰にきいた?」
「いや、なんとなく雰囲気で。」
「この前爪に色塗ってた。」
「色?」
「ああ、あと飾りも付いてた。」


なんのことだ?
「ネイルの事か?」
当てずっぽうで答える。
「ああ、それそれ。」
「おっさんかよ、お前。あいつ歌うから。」
俺は思わず噴き出す。

「歌う?」
「そう、歌上手いらしいよ。」
「それと爪がなんか関係あんのか。」
「ライブとかステージに立ってんだよ。」
「まじで?」
「うん、たぶんな。俺も詮索したくねぇから、たまたま人から聞いた話だけど地元じゃちょっと有名らしいよ。」
「そんな風にみえねぇな。」
「うん、でもちょっと独特の雰囲気があるよな。」
「ああ、それ。そうなんだ。あいつ、なんか変わってるよな。」

マナトに興味があるのか。

「珍しいな。お前が人に興味を持つなんて。」
「え?」
タカヤが驚いて俺の顔を見る。

「自覚してないのか?」
「いや、別に、そういうんじゃ。ただちょっと。」
明らかに動揺してる。

こいつは思慮深い、他人の事もよく見てる。けれど、興味を持っているかと言うとそうじゃない。たいてい傍観しているだけだ。

「お前こそ、マナトのことよく知ってんじゃねぇか。」
「そうか?」
「ああ、興味持ってんのはお前の方じゃないのか?」
「俺が?なんで?」
自分より俺の方がマナトのことを知ってるのが気に食わないか。
「知らねえよそんなこと。」
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