好きなヒト
第7章 繋がり5
眠ってしまっていたのを起こされる。
「悪い、やり過ぎたな・・・俺も大人げないな、がっついて。」
「藤原さん。」
「家まで送るよ。」
「何時ですか。」
「10時半。」
「事務所でいいです。」
「何で、家に帰れよ。事務所に高校生は宿泊禁止だろ。」
「帰らなくても、気付きませんよ。」
「だからって帰らなくていい理由にはならない。送ってくから服着ろ。」
家の前まで送って貰った。結局食べなかった弁当も持たせてくれる。
「おやすみ。」
「おやすみなさい。」
別れ際に、軽いキスをくれる。
離れ難い。
けれど、藤原さんは明日も仕事だ。困らせるわけにはいかない。
俺は体をひきづるように車を降りる。
車が見えなくなるまで見送って家に入る。
シャワーを浴び始めると後ろから流れ出すのを感じる。服を着る前に一応処理したけれど、まだ残っていたんだ。
手で拭い確かめる。
白濁の粘液、藤原さんの。
その指を舐める。
苦い。
自分の後ろから流れ出たものを口に含むなんて、でもそんなこと気にならなかった。そんなことに頭が回らなかった。それよりも、その苦い粘液が愛おしくて体に残る余韻が消えなければいいと思った。
ずっとこの余韻に浸っていたい。
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