好きなヒト
好きなヒト
成人向完結
発行者:iroha
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2011/09/09
最終更新日:---

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好きなヒト 第7章 繋がり5
「ユズルって、俺のこの前の追跡調査ですか?」
タカヤさんが藤原さんに聞く。

「ああ、よくわかったな。」

「なんかあったんですか?」

「ああ、まだ続いてる節があるんでな。とりあえず、目を光らせるためにな。」

「俺も入りましょうか、こっちと掛け持ちでも大丈夫ですよ。」

「いや、ユズルで大丈夫だ。とりあえずだから。」

「わかりました。必要になったら言ってください。」

「ああ。」
タカヤさんと話す藤原さんから目が離せない。どうしよう。ほんの少し会わなかっただけなのに。

「お前は大丈夫か?」
藤原さんが俺のほうを見る。

「はい。」
目が合うだけで、ドキッとする。
何気ない仕草さえ、俺には毒だ。

「じゃあ、何かあったら連絡をくれ。」
藤原さんは帰っていく。
どうしよう、帰ってしまう。


藤原さんがいなくなっても俺はドアを見つめたまま動けない。

「マナト?どうした?」
タカヤさんが俺の様子に声を掛ける。

「タカヤさん、俺、ちょっと藤原さんに話があって、すいません、閉めて帰ってください。」
「え?」

俺は部屋を飛び出した。
エレベータへ走る、エレベータの表示は1階。
どうしよう、追いつけない。

俺は階段へ周り駆け下りる。
藤原さん、待って。

階段を駆け下りて、エレベータの前に走ると藤原さんが立っていた。

藤原さんはふっと笑う。
「来たか。」

え。
藤原さんは、息を切らす俺に歩み寄る。
俺は走ってきたのもあって息が切れて、言葉が出ない。ただ藤原さんを見詰める。

「来ると思ったから、待ってた。」

待ってて、くれた。

藤原さんは、俺が息を整えるのを待って俺の背中を押す。

「行こう。」
「どこへ?」
「ホテル。」

「え。」

「うそ。お前制服だから駄目だな。」

近くのコインパーキングに駐車されていた車に乗り込む。
途中でスーパーに寄って出来合いの弁当を買い込む。


着いたのは、古いアパート。

「あの、藤原さん。」
「なんだ。」
「ここ。」
「うん、俺のアパート」
「え。」
「事務所は連れ込み禁止だったなと、この前反省してな。お前と一緒にあまり外をふら付くわけにもいかないからな。」

3階の一室の鍵を空けて中へ入る。
一人暮らし用の狭い2LDK。
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