好きなヒト
好きなヒト
成人向完結
発行者:iroha
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2011/09/09
最終更新日:---

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好きなヒト 第7章 繋がり5
「そんなことはありませんよ。」
俺は適当に答える。

「そうか。」
タカヤさんもそれ以上は聴いてこない。俺が話す気がないのを察したのだろう。

「マナト、明日はどうする?」
「俺は、今日気になった子を見つけたので、その子を探しにN高付近へ行くつもりです。」
「そうか、なら俺も行こうかな。」
「一緒にですか。」
「だめ?」
タカヤさんは上眼使いでかわいく言う。

「タカヤさんにかわいく言われても、俺は喜びませんけど、いいですよ。タカヤさんいると女の子も喜んでいろいろ話してくれそうだし。」
「はは、そういうのは俺よかユズルだろ。」
「ユズルさんもですけど、タカヤさんもですよ。」
「俺あんな薄情じゃねぇよ。」
「薄情?ですか?ユズルさんが?」
「ああ、俺なら自分のこと好きだっていってくれる人間には応えるけどな。」

そういうことか。

「それって、来るもの拒まずの理論でしょ。」
それのがよっぽど薄情だよ。

「そういうつもりはないんだけどな、誰かが捕まえておいてくれたら・・・って、あれ、なにそれ。」
「え。」
「手」

俺は自分の手を見る。

「爪。」
「ああ、ネイルです。」
昨日の今日なので爪はそのまま。

「そういう趣味があるんだ。」
「趣味っていうか、まあ、お洒落ですかね。」
「へえ、見せて。」
俺はタカヤさんに手を差し出す。
「自分で?」
「まさか、人にやってもらったんですよ。」
「すごいな。」
「はい。」

タカヤさんは俺の爪をまじまじと見る。

「なんか、あれだな。お前はよくわからんな。」

どういう意味だ。
俺は言葉の意味がわからず、タカヤさんをみる。

「お前がここに来て結構経つけど、どういうやつなのか、掴めない。謎が多い。」
「そうですか?」
「ああ。」

ということは、
「他のメンバーのことは掴めてるってことですか?」
「え。」

タカヤさんは、少し考える。

「いや、全然。」

俺は思わず笑ってしまった。
「なんですか、それは。」
「よくわからん。でも、そういうイメージだ。わかりそうでわからん。一見単純そうに見えて、実はそうじゃない。人当たりがいいくせに、壁がある。」

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