好きなヒト
好きなヒト
成人向完結
発行者:iroha
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2011/09/09
最終更新日:---

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好きなヒト 第7章 繋がり5
「ここに通ってるの?」
「え、ああ、まあ。」
「そう」

そう言うと彼女は行ってしまった。

俺は彼女が見上げた建物を同じように見上げる。三階建の白い壁の建物。あまりあたらしくはなく、看板の類は出ていない。

とりあえず中に入ってみる。
一階は暗く、閉まっているようだ。
脇にある階段を登る。
階段を登りきると、診療中と書いた看板が立っていた。

クリニックか。
だが、診療科は書いていない。自由診療?

人の気配はしない、静かだ。
すりガラスのドアの向こうに明かりが付いてるが、人影は見えない。

とりあえず、三階にも上がってみようと、上がりかけた視線の先の踊り場に、立ち入り禁止のプレートとチェーン。

上は事務所か。

俺は一応あたりをそれとなくカメラなんかがないか、確認してチェーンを超えて、上へ行く。

三階は一階と同じで電気は付いていない。
ドアも磨りガラスになっていないので、中の様子はわからない。

ドアに耳を宛てる。物音はしない。

ドアのノブをゆっくりと回してみる。
だめだ、鍵が掛っている。

しまったな、ピッキングツールは今日は持ってない。
ほんとは、いくら俺たちの仕事だからってピッキングは許されてない。

俺は諦めて階段を下りる。三階へ向かう階段に腰掛けて姿を隠し、人が来るのを待つ。

さっき俺がぶつかった子は、ここの患者だ。目が赤かったな、あの子。
薬の内容はあまり見えなかったけれど、たぶん精神科とか神経科だ。

携帯を出して時間を確認。
6時前、診療の受付時間が終わるころかもしれない。

しばらく待ってみたけれど、誰も来ないので建物を出る。

俺は、予備校のとおりに戻って、目ぼしいグループの近くで、耳をそばだててみたりする。

会話の内容は、宿題や勉強、進学率、テレビゲームの攻略。
勉強好きな奴ってのは、頭を使うことしか考えてないんだな。

何グループか回ったが収穫なし。
なかなか、難しい。

声を掛けないと難しいかな。声を掛けるとなると、相手を慎重に選ばなければ。
あたりを物色するが、目ぼしい相手はいない。こういう時は焦っても仕方がない。
とりあえず、今日は情収集ってことで、辺りの学生の会話をチェック。

タカヤさんが事務所に来るころには、俺も戻らなくては。
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