好きなヒト
好きなヒト
成人向完結
発行者:iroha
価格:章別決済
章別決済は特定の章でのみ課金が発生いたします。
無料の章は自由にお読みいただけます。

ジャンル:恋愛

公開開始日:2011/09/09
最終更新日:---

マイライブラリ
マイライブラリに追加すると更新情報の通知など細かな設定ができ、読みやすくなります。
章一覧へ(章別決済)
好きなヒト 第6章 繋がり4
俺は自分の爪を眺める。
左手の中指と人指し指が黒と紫のストライプになってる。薬指にはドクロ。
「おお、ありがとうございます。」
俺も満足そうに言う。

ちょうどお客さんが来たらしく、スタッフが声を掛けに来た。
「ありがとうございました。じゃあ、俺はこれで。また来ます。」
頭を下げる。

「マナト、絶対手で出すなよ。俺が入れてないんだ、意味わかるな。」
アツキさんが真剣な目で俺をじっと見る。

俺は無言で頷いて、部屋を出た。
休憩室には違うスタッフがいたので、挨拶をして帰る。

やばいってことね。

アツキさんは何か知ってるんだろうけど、言える立場じゃないんだろうな。
末端だからな。
アツキさんは末端の売人だけれど、ネイリストとしての仕事のほうが本業で、馴染みの客にちょっと捌いている程度。だから、悪意のある売り方はしない。相手も選んでる。

つまり、なんらかの害がある。害か。ドラックなんてどれも害がるけど。
やっぱり、いままでのスピードやLDSとは違うみたいだ。それなら、アツキさんはそう言った筈だ。

アツキさんとは古い付き合いだ。
俺が4年前、俺がよく行っていたライブハウスで知り合った。
アツキさんはそのライブハウスで手伝いをしてた。その時既にホストの仕事をしていたらしいけれど、俺はその頃そんなことは知らなかった。

やっぱりアツキさんのところに最初に来て正解だったな。
やばいっていいながらも、俺を心配してそれを言ってしまうんだから。やばいってことを漏らすのもやばいだろうに。あんまりお人好しだとこっちが心配になる。

アツキさんが入れてない薬。
わざと入れないのか、入って来ないのか。学生の間に出回ってるんなら手入らないもんじゃない。わざとか。

携帯を開く。
メールが来てる。着信も。

着信はタカヤさん。
メールは、藤原さんとタカヤさん。

藤原さんのメールをまず開く。
“くれぐれも気をつけろよ。”
俺が今日から廻るから、心配してくれたんだ。
俺達のことが解るような文言は禁止されているから、一言だけ。

俺は、ありがとうございますと返す。
23
最初 前へ 20212223242526 次へ 最後
ページへ 
ページの先頭へ