好きなヒト
第6章 繋がり4
藤原さんは日付が変わってから帰っていった。
俺と藤原さんはつき合ってるんだよな。たぶん。
でも、好きと言われた訳じゃない。
俺も好きと言ったわけじゃない。
次の日は親の手前あまり外泊ばかりもしていられないので、一度家に戻ってから事務所へ。
タカヤさんには応援をお願いするメールを送っておいた。
返事はまだ来ていない。
一度事務所へ寄っても一度資料にざっと目を通す。
さて、行くか。
持ってきた私服に着替える。薬関係の情報収集に行くので制服ではまずい。
私服と言っても、俺の趣味じゃなくて、そういう場所に行っても浮かない服。
ロッカーに脇に突っ込まれているキャスターの着いた姿見を引っ張りだす。
うーん。イマイチ。
近くのボックスの引き出しを空ける。
中にはじゃらじゃらとアクセサリー類が入っている。変装用です。
ごつめの指輪やネックレスを着ける。
サングラスを掛ける。
ワックスで前髪を上げる。
ほんとはあまり顔を出さない方がいいけれど、サングラスがあるし、俺はいつも前髪を降ろしているので、これが一番印象が変わる。
ま、こんなもんかな。
目標は三軒。
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