好きなヒト
好きなヒト
成人向完結
発行者:iroha
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2011/09/09
最終更新日:---

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好きなヒト 第5章 繋がり3
藤原さん、遅いなぁ。もう9時半だ。
でも、きっと仕事なんだろう。邪魔になるといけないのでこちらからは連絡しない。
シャワーを浴びて、ベットに横になる。
シーツから洗剤の匂いがする。あ、誰か洗濯してくれたんだ。先週の当番は女の子だな。
たぶん、男が使った布団を使うのが嫌だっていう単純な理由なんだろうけど、ありがたいな。気持ちよくて、なんだか眠くなってきた。

セキュリティが解除される音ピーという音。
9時になるとセキュリティを掛ける決まりになっていて、俺はシャワーに入る前にスイッチを入れておいた。
藤原さんかな、ここの人間ならみんな解除コードを持ってる。

ドアが開いて誰か入ってくる。
眠くて起き上がれない。
仮眠室のドアは空けっぱなしてある、そこに藤原さんが現れる。

「なんだマナト、もう寝てんのか。」
「なんか布団が気持ち良くって。すみません。お疲れ様です。」

俺は身体を起こす。
藤原さんが近づいてきて身を屈める。そっとキスをしてくれる。
唇が触れるだけのキス。

「もしかして誘ってんのか。」

そう言うと俺が反論する隙を与えずにまた唇を押しあてて、今度は舌を割りこんで来る。

「、、、、ン、ぅん」

舌が絡む。唇が離れる。

「続きは後だ。俺もシャワー借りるよ」

そう言うと、藤原さんはネクタイを外し始める。
仮眠室の一角にシャワー室がある。脱衣のスペースはないので、ここで服を脱ぐことになる。

「なんだよ、おれのストリップ見たいのか。お前けっこうエロいな。」
「み、見ないですよ。何言ってんですか。藤原さんに言われたくありません。タオル取ってきます。」

俺は立ちあがって、部屋を出る。

「お前夕飯食ったか?」
「そう言えば、食べてないです。」
「そうだと思ったから、買ってきた。食ってろ。」

テーブルの上にビニール袋がある。中を覗くとかつ丼が二つ。この時間にかつ丼はちょっと。
シャワー室のドアが閉まる音を確認してから、タオルを置いて事務所に戻る。
かつ丼をビニール袋から出して、並べる。
食ってろと言われたので空けて見るけれど、あまり食欲がわかないので、もう一度蓋をする。藤原さんを待とう。
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