夜想倶楽部 鉄哉編
夜想倶楽部 鉄哉編
成人向完結
発行者:とりさん
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ジャンル:その他

公開開始日:2011/09/03
最終更新日:---

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夜想倶楽部 鉄哉編 第9章 第八章 侵入者
 本館は二階建てで、玄関から中が円形のホールになっている。二階部はたぶん、太郎らとのショーに使われた場所で、本来は食堂らしい。ホールの奥手は厨房。その奥に物品庫。中央ホールの図面上での右側も二階建てで、一階部はここの「職員」の寝泊まりする場所らしく、小さな部屋が六つばかりある。二階部がたぶん、賓客用の客間であり、広く取った部屋が四つ。浴室もこの棟にある。便所はこの棟の二階ともの端にある。
 離れてそのさらに右側に、平屋の車庫と石炭庫(と図面には書いてある)があった。屋敷の規模相応に大きい。
 左側がこの独房のある細長い建物で、やはり二階建てだ。二階からだけ通路があり、通路近くに広めのプレイルームや調教室があり、さらに奥には独房があった。二階合わせて十二ある。つまりこの夜想館には、最高で十二人の囚われの少年たちがいることになる。最端に便所。
 それから、中央ホールの下にかなり大きな地下室があるらしい。鉄哉はまだ見たことがない。

 鉄哉はほとんど一瞬でそれらの情報を読み取ると、紙を畳んだ。
「役に立つ?」
 再びチョロ太は鉄格子から顔をのぞかせた。
「大いにね」
 鉄哉は頷いた。チョロ太はまた満面に笑みを浮かべた。
「今玄関の前の部屋も誰もいないぜ。一緒に逃げようよう」
 鉄哉は首を振った。
「いや、今はダメだ。それよりお前は早く逃げろ。車で来たところを歩きなんだからな。明るくなる前に逃げ切るんだ」
「兄キを置いて逃げるなんてできないよ! せっかくここまで来たのに」
「シィッ!」
 鉄哉は顔をしかめて指を口の前に立てた。
「いいか、お前が捕まってしまったら、何にもならないんだよ。ちょっと耳を貸せ」
 チョロ太は、小さなからだをぐいと持ち上げて、鉄格子に耳をくっつけた。
 鉄哉は口を両手で覆い、チョロ太の耳に向けささやき声でかなり長く話をした。チョロ太はいちいち頷いて、
「うん、わかったよ。じゃあ俺行く。兄キ絶対に生き抜いてくれよ。約束だよ!」
 鉄哉は強く頷いた。鉄格子からチョロ太の顔が消えた。鉄哉はベッドに腰を落とし、ふっと大きく息を吐き、俯いて猛烈に思考し始めた。
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