夜想倶楽部 鉄哉編
夜想倶楽部 鉄哉編
成人向完結
発行者:とりさん
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ジャンル:その他

公開開始日:2011/09/03
最終更新日:---

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夜想倶楽部 鉄哉編 第4章 第三章 菊池の教育
「シズカはお前のことガキにしちゃキレもんだって言ってたぜ。がっかりさせんなよ」
「……誰だシズカって?」
「……誰でもねえよ。うつ伏せに寝ろ」
 鉄哉は立ちあがり、肩の痛みに再度うなるとベッドにあがり、スプリングの固い革張りのベッドに横たわった。
「こいつで顔を拭きな」
 ベッドのサイドデスクはそこら中の釘が抜けそうな古いものだ。下段の引き出しに洗いさらしの手ぬぐいが畳んで何枚か納めてあった。それを一枚取って、菊池は鉄哉に投げてよこし、鉄哉はそれで鼻血を拭き取った。
「顔見せな。あごも拭け。口の下も……よし、かわいくなったぜ」
 この言葉と菊池の穏やかな笑顔は、鉄哉に複雑な感情を去来させる。無論喜びなどあるはずはない。しかし、そういえば形ばかりも、物心ついて以来、こんな言葉も笑顔も、どこの大人からも、かつて見せられたことはなかったな、と、鉄哉は思うのだった。

 菊池は鉄哉の背にまたがり、手の鎖をはずし、ベッドの柵に腕を開いた状態で拘束し直した。
 鉄哉は相当に怯えたが、菊池は特に嗜虐的な責めを行うためにこうしたのではない。ありきたりな開発を行うのに、かなりのはねかえりだと警告されていたので面倒を省くためにこうしたのだ。ただ彼らの「ありきたりな開発」が、十二歳かそこらの少年にとって、ありきたりな体験であるというはずも、またない。

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