夜想倶楽部 鉄哉編
夜想倶楽部 鉄哉編
成人向完結
発行者:とりさん
価格:章別決済
章別決済は特定の章でのみ課金が発生いたします。
無料の章は自由にお読みいただけます。

ジャンル:その他

公開開始日:2011/09/03
最終更新日:---

マイライブラリ
マイライブラリに追加すると更新情報の通知など細かな設定ができ、読みやすくなります。
章一覧へ(章別決済)
夜想倶楽部 鉄哉編 第4章 第三章 菊池の教育
 口内で固まって貼りついた布切れを、鉄哉は苦しげに吐き出した。
「ぶへっ……! がはっ」
「苦しいか?」
 菊池は強い憎しみと怒りの視線に射られた。無論菊池は、このくらいでだじろぐような男ではない。だが、子どもにしてはなかなか、と、ふと小さく笑みが浮かぶ。小野寺の気持ちが少しわかった。菊池は手と足を繋いでいた鎖をほどいた。
「水を飲ませてやる。立てるな?」
 鉄哉は疑惑を表情に浮かべつつも、狭い部屋で壁を使い、立ち上がった。両手足を拘束するもの以外、全裸だ。
「……はずして、くんねえのか?」
「お察しの通りだ。それどころかこうよ」
 菊池は、バネ金具つきの鎖を、鉄哉の後ろ手の革手錠を結ぶ鎖につないだ。
「犬みてえだろ? だんだんここでのお前の立場が、わかってくるさ。俺の前をゆっくり歩け。ちんちん突き出してな」
 口調は穏やかだが有無を言わせぬ威圧感がある。そして鉄哉も、冷静なところ、ここでわめいたり暴れたたりしても無意味だと理解していた。
 体格は、菊池と対比するなら、何もかもいかにも小さい。しかし、栄養状態も悪い中で、少年なりの筋肉の発達や皮膚のみずみずしさは、彼らの言葉で言ういわゆる「上もの」の類だった。顔つきは……眉が濃く目つきが鋭い。それは野良犬のどう猛さと、哀しみを兼ね備えているようにも見えた。

17
最初 前へ 14151617181920 次へ 最後
ページへ 
NIGHT LOUNGE5060
ページの先頭へ