夜想倶楽部 鉄哉編
夜想倶楽部 鉄哉編
成人向完結
発行者:とりさん
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ジャンル:その他

公開開始日:2011/09/03
最終更新日:---

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夜想倶楽部 鉄哉編 第4章 第三章 菊池の教育
「反省房かい?」
「ええそうです。釘一本でも持たせたら何をしでかすかわからんガキでね」
 菊池は思わず肩をすくめた。答えたのは小野寺だ。ほとんど表情を動かさないが、先日から妙な笑みが口元に浮かんでいるのがやくざ連中の噂になっており、気味悪がられていた。
「そんなはねっかえりか。俺は苦手だな。どちらかといえば大人しいガキを怯えさせて躾けるのが趣味でね。あと、頭弱くて快楽に弱いガキ」
「いい趣味で」
 小野寺がまた笑った。
「人のこと言えんのかよ。……小野寺、頼むからそういうふうに笑わんでくれ。実は俺、ちょっとこわいんだよな」
 非常に失礼な文言ではあるが、菊池は小野寺の一回り近い年上の先輩で、ボスの信頼も厚い。自分の頬や眉の上を引っぱっていじくり回している小野寺を尻目に、菊池はやかんに直接口をつけて水を飲み、居間を出た。

 夜想館は擬洋風の館で、現GHQ幹部J.P.プリデュークスが買い取る前の持ち主は現在は不明だ。設計者は日本人とイギリス人の連名。個人の屋敷として建てられ、細長く建て増しされた棟は今、少年達の独房や客のプレイルームとなっているが、かつては旅館としてして使用されていたこともあるようだ。

 鉄哉はその中でももっとも狭く、足を伸ばして寝られないほどのコンクリートの部屋に閉じこめられている。入り口側の鉄扉と、壁の非常に高い位置に鉄格子つきの明かり取りがあり、他には窓はない。鉄哉は革手錠により手足をからだの後ろで拘束され、猿ぐつわを咬まされていた。神谷の陵虐から一昼夜。水も飲まされていない。
 菊池はなかなかのガタイだ。狭い独房に窮屈そうに身をかがめ、壁に肘をついて、とりあえず鉄哉の猿ぐつわを剥がしにかかる。
「昨日のお偉いさんみたいに汚えもんかけるなよ。痛い思いが余計に増えるだけだって学習したろ」
 菊池の口調はいつも穏やかである。だが優しさはない。これが彼のノリだというだけのことだ。
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