夜想倶楽部 鉄哉編
夜想倶楽部 鉄哉編
成人向完結
発行者:とりさん
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ジャンル:その他

公開開始日:2011/09/03
最終更新日:---

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夜想倶楽部 鉄哉編 第7章 第六章 少年と少年
 その夜。太郎と鉄哉は、全裸のまま同室で眠らされることになった。
 通常はプレイルームなので、部屋は広く、ベッドはダブルサイズである。

 衆人環視の中のプレイで、特に太郎は薬物を使われた極度の興奮状態にあり、くたくたに疲れているはずだったが、二人とも眠れなかった。

 横に並んで、毛布も被らず、二人天井を見上げていた。先に口を開いたのは、太郎の方だった。
「鉄哉……お兄ちゃん。今日は、その、ごめんなさい」
「謝ってもすまねえよ」
「…………」
「冗談だよ、太郎、だったか。お前いくつだ?」
 鉄哉は柔らかな笑顔で、おそらくここに来て初めてのそんな笑顔で、太郎の方を向いて訊いた。
「十一歳。つい最近、誕生日だったんだ。僕忘れてたけど、菊池さんが覚えてた」
 十一歳か。もし自分と一つ違いなら、二人並べばとてもそうは見えないだろう。二、三歳の年齢差はあるように見える。鉄哉の肉体は引き締まってしっかりしていたし、精通も終えて、間もなく陰毛の発毛も始まるだろう。
「鉄哉お兄ちゃんはいくつ?」
「十二歳……くらいのはずなんだが、はっきりわからない」
「どうして?」
「物心ついた頃から施設にいて、親の顔も知らない。いつが誕生日かもよくわからないんだ」
 なぜこんなに素直に言葉が出てくるのか、鉄哉は不思議だった。太郎には、何か人を安心させるオーラがあるような気がする。
「シセツって何?」
「孤児院だよ。親のいない子どもを預かって育てるところ。コキ使われるし、食い物は鼻水みたいなかゆかまずい芋ばっかりだし、上級生の暴力はひどいし、不潔だし、最悪のところだ。大人たちだけはなぜか、いい服着て、いいもの食べて、言うことは偉そうだったな。何が神の慈悲だ」
 言いながら鉄哉は、当時の憤りが蘇ってきて、激しい口調になった。
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