ダークセル
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成人向完結
発行者:とりさん
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ジャンル:その他

公開開始日:2011/08/29
最終更新日:---

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ダークセル 第19章 Ⅱ darkcell - 14
 拇印を捺した猛雄に、笑顔で何か話しかけようとしていた九条は、出鼻をくじかれて思わず唇を尖らせた。
「わしにも話があるんやがな。まあええわ。何じゃ、お願いとは?」
「ここにずっと、置いてもらえませんか? 食い物は犬のエサでも、何でもいいです。どんなことにも……」
 九条は片眉を吊り上げて、少し思考した。
「それはならんな。ここにはまた、これから新しい奴隷候補が入ってくるんや」
「それじゃ、九条さんのところとか……とにかく俺、家に帰りたくないんです。外見はそんなに変わってないかもしれないけど、こんなになった俺の姿を、父親に見られたくない……」
「まああわてるな。そこらへんの話をこれからしようと思とったんじゃい」
 そう言って猛雄を制すると、九条は話し始めた。
「わしらの顧客は、大概が有名人とか、高い社会的地位とか、何もなけりゃ大金持ちとか、そういうごっつい看板を背負っとる。わしらがなるべくそういう連中を客にするのは、払いがいいのもあるが、秘密がバレにくいからや」
 九条はタバコに火をつけ、うまそうに吸って先を続けた。
「そしてそういう上級の顧客は、なるべくなら奴隷にも、大きい立派な看板を期待する。これも俳優とかモデルとか有名人、トップアスリート――まあ一流スポーツ選手やな。そういうのが自分の奴隷になって傅いて奉仕するんや。興奮も倍増すし、高い金も払おうちゅう気になるわけや。そやから」
 九条は指を立てる。
「わしらは育てる奴隷を、できるだけ高い価値を持った者にして、売ったり貸したりしたいわけや。……わしらとて」
 九条は自分を指さした。
「引退間近、というか最近プロレス人気も下火で仕事もないが、プロレスラー九鬼龍三というのが、わしの表の顔や」
 猛雄は思わず、九条の顔を見直した。見覚えがあると感じたのは、実際に会ったのではなく、ブラウン管の中でだったのだ。悪役レスラー九鬼龍三。猛雄は心密かに、悪役の方のレスラーを応援する性質を持っていた。
「ユルゲン・ベルツはドイツの元オリンピック代表の水泳選手や。肩を壊して早くに引退して、今日本では国際選手の強化チームのコーチをやっとる」
 九条はさらに秦を指さした。
「秦康広先生は、内科も専門性があるが、有名なスポーツドクターで、一流のアスリートの顧客を何人も持っておる。お前は」
 九条は猛雄を指さす。
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