ダークセル
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成人向完結
発行者:とりさん
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ジャンル:その他

公開開始日:2011/08/29
最終更新日:---

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ダークセル 第19章 Ⅱ darkcell - 14
 それから五日後だった。猛雄にはもう感覚がなかったが、あの日が誕生日だったなら、暗室に監禁されて、一ヶ月ほど経ったことになる。

 猛雄は、暗室を出された。鉄の扉の向こうの部屋は、事務所じみて地味だったが、清潔で、冷蔵庫や食器棚などもあり、生活感もあった。まさに扉一枚隔てて、別世界だった。

 まばゆさに目を細める猛雄は、イスを勧められて戸惑った。明るい部屋では、首輪に手足枷、乳首とペニスにリングピアスの猛雄の姿は、浮き上がって滑稽だった。

 向かい側に座った九条は、風呂上がりのような格好をしていた。そして一枚の紙切れを、猛雄の前に滑らせた。

 奴隷契約書だ。

「サインするか、せんか、今日決めてもらおうと思てな」
 九条は猛雄を斜めに見ている。ユルゲンと秦は、腕を組んで九条の両側に立っていた。

 もうサインをしようとしまいと、どこにも逃げられないと猛雄は思う。見えない、決して断ち切れない鎖が、自分をつないでいると感じていた。九条らというよりは、性の奴隷の世界。楽園であり地獄でもあるその目に見えない世界にだ。自分のからだの細胞の一つ一つに、深く暗い闇の世界がしみついていた。ただそれはもしかしたら、生まれたときからそうだったのかもしれない。
 九条はサインしない限り、死ぬまで暗い部屋を出られないと言った。どこにいてもあの暗い部屋にいるのと変わりはしない。だが死にたいとは、猛雄は思わない。生への渇望は、むしろ強くなっていた。驚くべきことだった。性の地獄と闇の世界を、生きるべくして自分は生まれたのではないのか。そんな風にも思えた。

 そんな思考は一瞬のことだ。猛雄は迷わず、答えた。
「サインします」
 猛雄は紙切れを引き寄せ、二ヶ所に名前を入れ、下部の署名に重ねて拇印を捺した。

「けどあの、お願いがあるんです」
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