ダークセル
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成人向完結
発行者:とりさん
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ジャンル:その他

公開開始日:2011/08/29
最終更新日:---

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ダークセル 第7章 Ⅱ darkcell - 2
 大げさに言えば、T高校の恐怖の帝王だった谷山を、一年坊の猛雄が叩きのめしたらしいという噂は、あっという間に学校中に広まった。

 ただ、猛雄が谷山をレイプしたことなどは誰にも言わなかったし、谷山が誰かに言うはずもない。しかし、鼻に絆創膏を貼った谷山が、おかしな歩き方をしながら道場に来て、おどおどと猛雄から視線を逸らす姿は、噂を裏打ちして、柔道部における谷山の立場を一気に転落させた。
 と同時に、猛雄は柔道部のみならず、学校中で有名になってしまった。

 それは一見居心地のよいことであるようだが、そうでもない。不快な思いをさせる同輩先輩がいないというだけで、親しい友人はできにくくなった。
 猛雄は谷山を犯したことを後悔していた。谷山だけは、自分の性的嗜好を知っている。男子が多いT高校において、ジョーク的に誰と誰があやしいとか同性愛的な話題が出たり、解剖(数人で一人の下半身を裸に剥いてしまうこと)などのいじめは起きやすい。しかし、当時同性愛に対する偏見はまだ強く、自分からカミングアウトして同性同士がつきあうというような高校生ライフは、考えられないことだった。それも、非常に女性的な男子ならまだしも、猛雄のように頭のてっぺんから足の先まで漢(おとこ)という印象の男子においておや、である。

 ただ、柔道部の練習は思いのままにできた。部長は元来まじめな男で、猛雄に頼り、まともな練習メニューを組んで部活動をそこそこちゃんとしたものに立て直した。その頃には谷山は幽霊部員どころか、学校からも姿を消して、退学したのだか登校拒否なのかも誰にもわからなかった。

 だが猛雄の鬱屈は積もるばかりだった。一年生なのに自分が一番強いのだ。そこそこできる方の部長が、自分と練習できるのを喜んでくれるのは悪い気はしないが、これでは自身の向上もないし、エネルギーのやり場がない。猛雄はますます常時不機嫌なきつい目をするようになり、他の生徒から近寄りがたい存在になっていった。
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