シングルファーザーの育児ノート
シングルファーザーの育児ノート
成人向完結
発行者:とりさん
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ジャンル:その他

公開開始日:2011/08/22
最終更新日:---

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シングルファーザーの育児ノート 第14章 第十四回(昭和五十五年頃)
 何度目のそういう行為だったのか。二人で柔道着を着て行為に及んだこともあったというが……。雄太と巧はその行為のほとんど一部始終を巧の弟の司に見られてしまった。息をつめて部屋のふすまの陰からその行為を見ていた司は、雄太が巧をいじめていると受け止めたようで、それを親に告げてしまった。
 あの雄太君に限っていじめなどするはずがない、という先入観のもと、両親が司を問い詰め、異様な光景の一部が幼い子の口にしてはかなり正確に再現された。そこに羞恥や秘め事という感覚は存在しない。両親は驚き、巧を問い詰め、ことの次第を知ったのであった。

 巧の両親は私のもとを訪れ、巧から聞き出した話を告げた。その話しぶりは、巧が雄太に一方的な暴力を受け、いたずらをされたかのようないい方だった。まあ両親にしてみればそのような異常な行為に、我が子が積極的にのめり込んだなどと思いたくない気持ちはわかった。

 私はとにかく平謝りに謝って、雄太を叱り、彼にも謝罪させると約束して帰ってもらった。

 私は帰宅した雄太に、事実を確認した。雄太は秘密が露呈してしまったことにショックを受けていたが、正直に全てを話した。彼の言からは、仲のよい友達同士だからこそしたこと、起こった出来事だと受け取れ、私は巧の親の言葉よりは、そちらの方を信じた。だが世間一般の常識的にいって、それで雄太の罪が軽くなるものでもない。

 巧の親は巧と司を、私の柔道教室を辞めさせ、学校の教師にも「事実」を告げたようだった。それ以上彼らもどこへも話は拡げなかったはずだが、かすかに流れる噂が、さざなみのように静かに拡がり、雄太の大人達や子供同士の間での評判を落とした。

 ただし私の雄太への行為は、塵一粒たりとも、誰にも知られることはなかった。
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