痴漢電車
痴漢電車
成人向完結
発行者:とりさん
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ジャンル:その他

公開開始日:2011/08/20
最終更新日:---

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痴漢電車 第1章 1
 遅れてやってきた梅雨も、あまりそれらしくない中途半端な天気のまま、去っていこうとしていた。
 私鉄電車のホームの屋根は強い陽射しを多少は遮ってくれるが、蒸し暑さは容赦なく電車待ちの客らから体力と気力を削り取っていく。

 ホームには客はまばらだった。平日の午後二時台だから、通勤客の集中する時間ではない。
 
 ホームの中央近くの階段のすぐそばで、僕は特急列車を待っていた。この駅で各駅停車から乗り換えると、スムーズに家路につくことができる。
 乗客は電車の扉の位置を示す三つの丸印の両脇に二列に並び、電車の到着を待っている。僕は列の三番目で、隣には誰もいなかった。
 その左列三番目のスペースに、つまり僕の隣に、階段を駆け上がり並んだのは、どこかの私立小学校の男の子だった。
 ランドセルは茶系で、それはいささかくたびれていたから、その子は高学年に違いないが、華奢なからだで身長も低く、私服なら三年生か四年生くらいに見えたかもしれない。私立小学校の五時間目が終わって、帰宅途中というところか。ランドセルにはストラップのついた二つ折りの携帯電話がぶら下がっていた。
 白い帽子をかぶり、よく糊のきいた半袖のワイシャツを着て、下は茶系のチェックの半ズボンだった。ズボンから伸びるしなやかな足はみずみずしい白い肌に覆われていて、あまり日焼けはしていない。昨今、昔のように夏は真っ黒に日焼けして遊び回るのが健康な少年というもの、という常識は覆されたようで、男児でも日焼け止めを塗って海に繰り出すとかいう話を聞く。まあいずれにしても、まだ学校のプール授業は始まったばかりというところだろう。
 僕は正面を向いたまま、男の子の観察を続けた。色白の顔は真っ赤で、帽子の影の額には汗が次々と湧き出していた。首にタオルをかけていて、時々その汗を拭う。美少年というのとは違うが、黙って立っていても愛嬌を感じるような、そんな愛らしい丸顔だった。

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