白昼の追想
第32章 32章 敗北の虜囚
バスタオルを 私の 無様に 拡げた 足の間に 投げて
酔った声で笑いながら
「また お仕置きかしらあ?」 男に振り返る
男が 品のない 嘲った笑い
でも 欲情した 弛緩した表情で 私と未来を 視ていた
未来の リベンジは 怖くない
この男の 秘めた残忍性が怖い
数時間前にくだされた 私への徹底した 屈辱と虐待
逆さ吊りと 排泄を 想いだして また 身体が 疼いて 凍りつく
でも いまは どうしようもなく 私の肉体はまるごと 精神とは離れて
あの男の サディズムの手の内で抗えやしない
それは 未来も同じ 二人して 敗北の虜囚なのだ
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