真理の探求者
第1章 プロローグ
西暦21XX年
世は、まさに電脳社会と呼ぶに相応しく発展していた。
19世紀から20世紀にかけて科学技術は目覚しく発達し、
21世紀に入ってからはコンピュータ技術が進化、情報化社会となった。
そして21世紀中期、人々は汎用型量子コンピュータの開発に成功。
以後発展を続け、数年後には汎用型量子コンピュータ専用のOS、
『AIUS(アイウス)』がアメリカのアルベール社より発表される。
AIUSを基礎として様々なプログラムが組まれ、
またそれまであったプログラムも量子コンピュータ向けに改変。
以降世界各国の専門機関へと普及していく。
そして21世紀後期、量子コンピュータは一般にまで広く普及し始める。
2072年にアルベール社より発表されたAIUSを基礎とした一般向けOS、
『AIGIS(アイギス)』が発表された事により、量子コンピュータは加速度的に普及。
凡そ20年で世界各国で一家に一台はあると言われる程となる。
それにより電脳社会は更に栄え、様々な量子コンピュータが開発された。
21世紀中期から21世紀末期、
または22世紀初頭にかけての一連の出来事を科学革命と呼び、
情報科学や近代史の教科書には小学校の頃から載る程の一般常識となっている。
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