majokko Bingo
第1章 アタの工夫。
このごろは、あんまり書いてないのよ、
とアタは言った。
書くときには、なにかを調節するために
書かされているのだ、と。
アタはいつもこわかった。
ジブンの言葉のなにが拒否され、
なにが受け入れられるのか、を
いつもパラソルにぶら下がって
探していた。
それを大丈夫にしてくれたのは、
うすい…紙幣のようなもの、
こんがらがったのを
丁寧に解いて、
ちゃんと扱いやすいようにして
もどしてくれた。
そうすると、
アタはいつも思った、
ずっと優しかったのだ、と。
階のちがうところにいて、
言葉を探したのは。
アタの工夫だったのだ。
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