彼女とコンビニエロ本とおっぱい
第1章 コンビニに立ち寄ったのがいけなかった
今、家の近くにあるコンビニに山本健がいる。店内を回ってみたり、マンガをチラ見したりと挙動不審。
でも万引きしようというのではなくて、もっと素直な事情で思い悩んでいる。何気に目に止まったタイトルに心を持っていかれたから、そのエロ本を見てみたいのであった。
本のタイトルは「巨乳・爆乳咲き乱れ、Jカップも降臨」
本の感じは、結構ゴージャス。永久保存版みたいに立派だ。
ごくりと生唾を飲んで健は思うのだった。間違いない、あれはよく見かける安っぽいとは違って、きっと中身が充実した貴重な代物だと。それにJカップとか文字が見えたらもう心は離れられない。
しかるにしてエロ本コーナーの隣が情報誌で女性が立っている。早く立ち退いて欲しいと神さまにお祈りしてるのに通じない。だから健は、あの女性を呪いたくもなってしまう。
神さま、あの女の人が邪魔です。と、小さく祈る。
挙動不審の目立つ時間が目立つのは良くない。コンビニに立ち寄らなければ良かったと思っても後の祭り。エロ本の引力は抗えるものではないから。
思案してみる。別のコンビニに行くか?
でもどの店にあるとも限らない。もし他の店になかったとして、この店に戻ってきたらどうか。挙動不審者がリターンしたと店員が怪しむかも。
思い切って買うか?
今どきだったら小6でもエロ本くらい買わせてくれるんじゃないか? と思ってみたが、レジにいるのは女性だからやりにくい。男を魅惑するは女、男の邪魔をするのも女。
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