Shine~Masato & Hina story~
第1章 プロローグ
『ヒナ』
低くて甘い声。
その声で愛おしむように名前を呼ばれると胸が高鳴って、自然と顔が綻ぶ。
初めてあなたに出逢った時には想像も出来なかった。
鋭く冷たいと思った瞳がこんなにも優しく私を見つめるだなんて……。
血塗れだった手がこんなにも私を温かく包み込むだなんて……。
傷だらけだった身体がこんなにも私に安心感を与えてくれるだなんて……。
あなたと一緒にいると私がこんなにも笑顔でいられるだなんて……。
あなたの存在が私をこんなにも輝かせてくれるだなんて……。
……だけど、今ならはっきりと分かる。
あなたと出逢った瞬間から私が輝き始めた事を……。
1