義弟の一言で狂った私の人生
第1章 あの日
結婚後、私は旦那の実家で暮らし始めた。
義母や離れに住む義弟はやさしかったし。
仕事が忙しいながらも、何かと気にかけてくれる旦那。
子供は出来ないものの、近所からも羨ましがられるような、
恵まれた生活だった。
あの日、全てを知ってしまうまでは・・・。
その日、義弟から一通の手紙を手渡された。
<全てを知りたければ、23時、近所の公園へ>
それだけが書かれていた。
その日は旦那も仕事で帰りが遅く、
早めに寝てしまう義母の目を盗んで
出かけることなど、容易い時間だった。
23時。
義弟からの手紙を無視することが
出来なかった私は、
近所にある公園へ向かった。
義弟は、私たちの結婚前から自宅の
敷地内にある離れに、一人で暮らしていた。
食卓をともにすることもなかったが、
何かと実家の方へ顔を出し、
慣れない彩子の生活の世話もやいてくれていた。
元々がっしりとしていて、
結婚後は少々肉付きも良く
なってきている旦那とはあまり似ていない。
スポーツジムのインストラクターの
業だからだろうか、
引きしまった体格に、
いつも洒落っ気のある服装に身を包んでいた。
昼間は子供連れでにぎわう公園も、
夜遅いこの時間には、
人の気配はないように思えた。
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