金子京介&菊池グリグリの週末レース展望

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京介・菊池グリグリの「スプリンターズステークス回顧!」
お礼1
2016/10/04 21:45:00
テーマ: 重賞回顧

JRDB関東パドック班・金子京介と、競馬大予言の主軸ライターであり競馬データ分析家の菊池グリグリがお届けする、中央競馬の重賞回顧。  

週末の重賞展望トークの振り返り、レース分析、次走注目馬を盛り込んだ濃密な回顧対談!
『競馬大予言』で連載中、「金子京介・菊池グリグリの重賞三行回顧」の完全版です。


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京介・菊池グリグリの「スプリンターズステークス回顧!」 

<菊池> 日曜日の中山では、この秋最初のG1・スプリンターズSが行われました。今回も回顧していきましょう。

 

スプリンターズステークス回顧

展望トークはコチラ

https://regimag.jp/s/blog_publisher_view/detail/blog/725/entry/77463

 

<天候・馬場について>

 

<菊池> 先週末の中山競馬場は、土日を通して芝・ダともに良馬場発表で行われました。

 

<京介> いやあ…良くても雨が何とか持つ程度の曇りだと思っていたのに、こんなにスカッと晴れるとは。朝から日差しが非常に強くて、もわっとした熱気が立ち込める1日だった。風が吹いても全然涼しくないし、結局最高気温も30℃近くにまで上ったんじゃないかな。日が陰ってくれば少し涼むけれども、日中は晴れたらいまだに暑い。こりゃ東京開催でもまだまだ残暑が続きそうだね。

 

<菊池> 結局、今年は天気予報が当たらないことが多い年ですから。

 

<京介> そして土曜日もそれほど雨が降らなかったし、日曜日はスカッと晴れて日照も強く、かなり乾燥していたから、馬場がかなり良かった。見た目には内ラチ沿いはだいぶ荒れているんだけど、案の定と言えば案の定、馬場が一気に速くなったね。

 

<菊池> 開幕週より2週目が速く。仮柵移動で少しおとなしくなって、2週目でまた速く。これの繰り返しでした。

 

<京介> 日曜日は同日に芝の1200m3鞍も組まれていたんだけど、6R3歳以上500万下で183という時計が出た。おまけにこのレース、前半3F328という超ハイペースだったのに、2番手の馬が4角先頭で押し切ったでしょ。これはさすがに、内側を固めてないとそんな決着にはならんわ。

 

<菊池> 固めたというか固まったというか。どちらもなんでしょうけど。

 

<京介> むちゃくちゃな馬場補正をやったとは絶対に言わないけど、適度な馬場整備を入れていただけなのに、かなり速い時計が出てしまう状況になったという流れ。これいつも思うんだけど、雨が降ってからの補正じゃなくても、今週から急にこのレベルまで速くなったのかね?今年も、この最終週最終日になって一番馬場が速くなるという傾向通りだったわけだ。

 

<パドックについて>

 

<菊池> オッズの面ではビッグアーサーが抜けた人気になりましたが、パドックでの比較としてはいかがでしたか?

 

<京介> いやビッグアーサーが一番良かったと思うけどね。何より胸前の分厚さが違うし、体で抱えている筋肉総量が凄い。

 

<菊池> その点はモニターと同じ印象ですね。

 

<京介> もちろんその他の馬も、非常に良い仕上がりだらけだったよ。完全に筋肉が落ちていたサクラゴスペルや、レッドアリオンやらの、場違いの馬はいたけどそんなに多くはない。

 

<菊池> 夏場に使っていたサマーシリーズ組はいかがでしたか?

 

<京介> 夏場に使っていた馬は、みんなシーズン最後のつもりの仕上げだったと思う。それが細く見えるか、硬さが出てギリギリか、あるいはムチムチしているかの違いだっただけだね。

 

<レース展開について>

 

<京介> 昨年も触れたかもしれないけど、返し馬はどの騎手も軽めばかりで、暴走気味にズバッと走り出す馬は全くいなかったね。落ち着きがあるのはいいにしても、こういうムードがあるから序盤に激しく競り合うことがなくなっているのかな?

 

<菊池> 制御の利く馬が増えていることは確かでしょう。

 

<京介> 昔のスプリンター、特に重賞を複数勝つような強い馬は、気が触れる寸前ぐらいに気性がカッカしているものだったんだけども。昨年も思ったけど、サンデーサイレンスの血がスプリンターズSの出走表を埋め尽くすようになって、もう時代が大きく変わったんだなあと思うべきなのかな。

 

<菊池> そんな気がします。個人的には馴致レベルの向上も関係があると思います。昔の方が、距離が保つはずの血統や体型なのに、気性の問題があってスプリント路線で競馬しているという馬が多かったかもしれませんね。一時期に比べて外国産馬が減っていることも関係していると思いますが。

 

<京介> 今回もファンファーレが鳴り終わってからゲート入りを始めたので、大きな混乱なくさっさと入っていたね。奇数枠はものの10秒ちょいで入ったし、ラスト1頭まで30秒だからかなり早いよ。入り始めからスタートまで40秒?ここまでスムーズだったら、どんな馬でも集中して出られそう。

 

<菊池> スタートそのものは、揃っていましたね。大きな出遅れはありませんでした。

 

<京介> そうだね。1馬身以上出遅れた馬はいなかった。だけど、横並びで比較して、偶数枠の馬が全体に半馬身ほど出負けしていたのはちょっと気になったな。ゲート入りがあまりに早すぎると、僅かにこういうことが起こるのかな?

 

<菊池> 2番ブランボヌール、6番ベルカントのノースヒルズ2騎があまり良いスタートではなかったでしょうか。

 

<京介> ベルカントが悪かったのは正直残念だわ…。外の方だと、レッドアリオン、レッツゴードンキ、ウリウリなど、元からあまりスタート良くないタイプの行き脚が付かなかったね。ただこれは、スタートの良い馬がかなり速く出た相対的なものもある。

 

<菊池> 特にスプリント戦のスタートダッシュは状態面が大いに影響するだけに。

 

<京介> 中山芝1200mのスタート直後は、3コーナーに飛び込む過程で馬群が左右から絞られてしまうから、半馬身態勢が悪いだけでも接触を避けようとするとこうして後退する羽目になる。

 

<菊池> 好スタートから良いダッシュを見せたのが4番ソルヴェイグ。これに、主張した8枠2頭、特に15番ミッキーアイルが強く先頭を主張して、外からハナを奪いに行きました。このあたりは指示通りだったことでしょう。

 

<京介> そうだね、ソルヴェイグも別に逃げて良いぐらいの態勢だったけれども、外ミッキーアイルの強烈な主張を見て控えた感じだね。シュウジはそのテン争いに一歩だけ遅れていたから制すことはできなかったし、真ん中枠の馬はスタートでズバ抜けることができず、ミッキーアイルに対し2馬身ぐらい遅かった。

 

<菊池> 加えてミッキーアイルは行く気満々でしたから。

 

<京介> 1番ビッグアーサーの福永騎手も、最初の10歩ぐらいはソルヴェイグの内に割って入っていい隙間はあった。だけど、最初しばらくはラチ沿いからサッと押し上げるルートを取らず、馬群の方に寄せていったんだよね。ボロボロに荒れているように見える部分を避けたから。いや、多分そこを通っても大丈夫だったと思うんだけど…。ゲートから真っ直ぐ行かず、左に少し寄せて進んだ分、ソルヴェイグの横に並ぶ動きではなかった。

 

<菊池> 譲って4番ソルヴェイグが2番手。その後ろに3頭。外から16番ネロ、間に5番シュウジ。そして最内に断然人気の1番ビッグアーサーが続きました。

 

<京介> スタートの勢いだけならビッグアーサーはハコ内を取れてもおかしくなかったんだけど、ソルヴェイグの真後ろに控えたから、ミッキーアイルから数えて3列目の最内になる。コーナーを経る過程でずっと窮屈になるから、これは悪い位置だわ。

 

<菊池> その直後が9番サトノルパン、そして挽回してきた6番ベルカントと2番ブランボヌール。この外に13番レッドファルクスがいました。

 

<京介> レッドファルクスはスタートを決めてやっとこの位置。だけども序盤に挟まれたりすることはなく、脚を使わず追走できたのは大きい。

 

<菊池> その後ろのグループが、7番スノードラゴン。そして8番サクラゴスペルが続いて、3番ティーハーフら5頭。12番レッツゴードンキが後方2番手で、14番ウリウリが最後方でした。

 

<京介> 画面がこの最後尾までをなめていく過程で、3コーナーをもう過ぎているんだけど、コーナーのカーブで馬群が斜めになり、内回りとの合流地点では隊列が縦に伸びている。

 

<菊池> 前半600m通過は33秒4。昨年は異常なスローペースでしたが、今年は平均か、これでもスプリンターズSだと考えると少し遅めなくらいでしょうか。

 

<京介> 500万下条件で前半3F328が出ているし、全体で1分7秒台が出る馬場(=2分割すれば34秒弱)だと考えると、そういう感覚だよね。このクラスの馬なら、テン3Fが33秒0でも前が残るわ。

 

<菊池> 前の5頭はほぼ変わらぬ隊列のまま4コーナーへ。1番ビッグアーサーは進路取りを気にして、馬場中央へ出すことを意識した動きを見せていました。福永騎手としてはネロの外に行きたかったと思うのですが、ここで9番サトノルパンが先に動いてそのポジションをとっています。

 

<京介> 福永騎手は手綱を抱えたまま進んでいるのに、ビッグアーサーの目の前はシュウジとネロが壁。外から先にサトノルパンが仕掛けて行ってしまう。残り2F標識を過ぎたのに、まだ追い出す態勢に持ち込めてない。

 

<菊池> 結果として、福永騎手はもう一頭分外。9番サトノルパンの外を狙いに行くしかなくなってしまいました。その状態で直線へ。しかし、そこへ13番レッドファルクスが外から伸びてきて、この進路もカットアウトされてしまっています。

 

<京介> レッドファルクスのデムーロ騎手は、坂の下りで追っ付けての進出だったからやや苦しそうに見える手応えだけれども、ビッグアーサーが苦労している隊列の関係で、ここが仕掛けどころだと見たんだろうね。もちろん後半3Fをもう切っているんだから、それが正しい判断。

 

<菊池> 行き場がなくなるビッグアーサー。それらを尻目に15番ミッキーアイルは逃げ粘り、2馬身弱のリードを保って坂へ。

 

<京介> 隊列の半分よりも後ろにいる馬は、仕掛けているんだけど加速が追いつかずにほぼ遅れてしまっている。外から仕掛け通しのスノードラゴンでも先団に間に合わないのに、この位置にいてはもうどうしようもないね。

 

<菊池> ここで、ラチ沿いで溜めていた4番ソルヴェイグと5番シュウジが追撃。ビッグアーサーに蓋をして、役目を終えたと言わんばかりに16番ネロと9番サトノルパンは一杯に。替わって、13番レッドファルクスが猛追。

 

<京介> そう、サトノルパンは4コーナーで内に切れ込み、直線坂で外に張り出して(レッドファルクスとの合わせ技で隙間を塞ぐ)、ビッグアーサーの挙動と連動するように邪魔しているんだよね。

 

<菊池> まぁ意図してのものかは分かりませんが、ネロ・サトノルパンの動きでビッグアーサーが思うように動けなかったのは確かなところ。

 

<京介> シュウジは中盤の下り坂だとミッキーアイルに並びかける2番手だったのに、4角出口で劣勢、後退。いやあ、あそこは食い下がるべきだったわ。最後坂上で盛り返す際に、ちょうどソルヴェイグの進路すらも塞ぐ格好になっているね。

 

<菊池> ソルヴェイグはミッキーアイルが後退するようなら3着どころか掲示板もなかったでしょうね。ミッキーアイルが逃げ切るような態勢まで脚が続いたからこそその真後ろで伸び伸びと走れた。

 

<京介> そしてシュウジが内に、ネロが外に張り出すのが同時だったから、2列目の真ん中内ラチ3頭分ぐらいの場所が空く。そこを見て福永騎手が切り替えてビッグアーサーを突っ込ま専るんだけど、左手前になっていた時に右斜めに進ませた影響なのか、ネロの後肢がビッグアーサーの前脚かすったのか、躓いてしまったのが痛恨。減速が大きく1馬身ほど遅れてしまい、最後は流すだけになってしまったね。

(パトロールVTR)

http://web-cache.stream.ne.jp/web/jra/onetag/subwindow.html?movie=rtmp://fms-jra.stream.co.jp/jra-fms/_definst_/mp4:jra_seiseki/2016/1002/201604060811p&ua=4&type=2&thum=

<菊池> 右回りが不慣れだった分か、レッドファルクスはややエンジンの掛かりが悪かったものの、ようやく勢いに乗せて坂上で猛追。逃げ切ったかに見えた15番ミッキーアイルをゴール寸前で捕らえて見せました。

 

<京介> レッドファルクスは直線でグンとレベルの違う脚で伸びたわけではなく、射程圏で追っ付けながらついて回り、最後の坂上の部分でジワジワと優勢になった形。これはレース運びの妙だったといえるね。よくこの形で、1分7秒台決着で脚が溜まっていたもんだわ。明らかに有利な隊列だったのは2列目の組なわけだし。

 

<菊池> 3着争いは、ほぼ完璧に立ち回った3歳2頭の争い。僅かに4番ソルヴェイグの方が制しています。

 

<京介> 改めて全体を見直して、シュウジのレース運びは甘さがあったんじゃないの?とは思ったなあ。


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<結果を受けて…>

 

<菊池> 勝ち時計は1分7秒6。馬場的には、もう0.2~3秒速い時計になってもおかしくなかったと思いますが。

 

<京介> 自分も同感。当日の馬場は土曜日と比べていきなり速くなった実感があったしね。1分7秒前半、もっと縦長の隊列になるはずだと。ビッグアーサーもちょっとミスしても捌きやすいんじゃないの、と想定していたんだけどもね。

 

<菊池> 平均程度のペースで逃げて、ビッグアーサーが詰まったとあれば、ミッキーアイルとしては勝ちパターンでしたよね。ラストも11.8秒で何とかまとめています。

 

<京介> 重賞を勝てるレベルの先行馬にとっては、中山でこのペースはかなり有利だものね。それと、ミッキーアイルは番手で競馬できる馬だとは言っても、勝ちパターンに持ち込んでいるのは単騎逃げの時ばかり。今回は自分の流れに持ち込み切ったし、4コーナーで突き離す仕掛けも見事だった。あれ以上上手くいく流れはないだろうね。

 

<菊池> 松山騎手は役目を果たしたと言えるでしょう。

 

<京介> そして、逃げ馬と道中2番手、ハコ内にいた馬が2・3・4着する流れだったこと。つまり、前半334ぐらいだと、この馬場は前に行った馬が全然消耗しない程度のラップだったということだし、ネロやサトノルパンも直線でアッサリ止まるようなことがなかった。先行集団にとって結構余裕のあるラップだったから、後続はかなり無理して狭い隙を狙うしかなくなる。だからこそ差し馬としてチャンスがあるのは、外を回るにしても進路を作れる外枠の馬しかなかったと。

 

<菊池> ひとつ前のレースでも外枠が掲示板を独占したように、外から勢いに乗せられるのは有利でした。

 

<京介> ミッキーアイルが単騎だったのに他馬に脚を使わせるほどの強烈な逃げではなかった。それに先行勢が倣って展開は膠着する。11番から控えたビッグアーサーは、その窮屈な流れに潰されたし、713番のレッドファルクスは、ほんの少し運も良かった、とは考えている。

 

<菊池> では、上位馬を振り返りましょう。

 

レッドファルクス

 

<菊池> CBC賞以来、約3ヶ月ぶりの競馬でしたが、仕上りはいかがでしたか?

 

<京介> 肉付きもまともで、仕上がりは良かったよ。手先も十分力が篭っていた。だけどまあ、他にも抜群に、ギリギリに仕上げていた馬は片手じゃ足らないほどいたパドックだからね。この馬が一番目立っていたというのは、どう考えてもないよ。

 

<菊池> 元々、馬っぷりの良さが目を引くというタイプでもないですし。

 

<京介> それと、CBC賞を勝った後疲労で休みを入れてスプリンターズSにぶっつけ出走。直前追い切りがダートコース。そんなもん、何か不安があってのものに決まってるだろう!とばかり思っていたよ。だけど真剣にパドック見ていたけど、悪い材料は特に見当たらず。

 

<菊池> 個人的にはビッグアーサーを負かすならこの馬だと考えて対抗評価としたのですが、もう少し後ろからズドンかと思いきや、そこそこ高いポジションを取っていました。

 

<京介> これは当日の馬場を見て、デムーロ騎手が判断したんでしょう。スタートを決められたのも大きかった。デムーロ騎手はこの日バカついて掛かって撃沈やら、かなり空回りした騎乗が多かったんだけど、「ある程度射程圏でついて行かないと厳しい」というイメージがあったんだろうね。

 

<菊池> このタイミングでスウェプトオーヴァーボード産駒が初G1勝ちを達成したにも驚きがあります。

 

<京介> 土曜日にはゴスホークケン産駒がオープン入りしていたし、少しなまくらなタイプが勝ちきれるような芝の質だったけれども、G1まで非サンデー系が奪ってしまうとは。

 

<菊池> 次はJBCスプリントに向かうのでしょうか。スプリント版のアグネスデジタルを目指して頑張って欲しいところです。

 

<京介> 何だかそのような方針みたいだね。あまり芝馬仕様で馬を造り変えたわけではない、という尾関厩舎の主張のようにも感じる。スプリンターズSの高速馬場も走って、深いダートすら走れるとなれば大したものだわ。

 

<菊池> CBC賞を勝った直後は、「オーバルスプリントからJBCクラシックへ」といったコメントがあったくらいで、やはり左回りを使いたいという考えは確かだったはず。

 

<京介> また、ややタフなレースを終えた後にすらすらと次走予定が出せるということは、もしここを負けても向かうつもりだったんだろうし、馬自身に何ら不安はなかったという証拠なんだろうね。ぶっつけで使ったのは足元のこと関係なし、陣営が「休み明けの不利とかはない」と思って仕上げて通用すると感じていたと。まあ、過去にないローテーションだということを、こっちが勘繰り過ぎたということかな。昨年サクラゴスペルで足りたということが踏み台になっていそう。

 

ミッキーアイル

 

<菊池> 高松宮記念以来でした。今回は追い切りも、誰が見ても褒められない状態…に近く、外枠も相まって売れ方は甘め。当日の状態はどうでしたか?

 

<京介> 体つきはいい状態だったね。馬体は常にG1級に見せるタイプだし、今回も特別トモが落ちたり、背中が痩せコケたりと悪くなった部分はなかったと思う。自分が大外枠の奇数枠であることを嫌って評価を下げた、というだけで。

 

<菊池> 松山弘平騎手としては、一点の落ち度もない騎乗だったように思います。あれで差されたら仕方ないですね。

 

<京介> そもそもG1での喧騒が大きく、ゲート入らない馬が多いからやたら待たされる奇数枠は不利だと思っていたんだけどね。あのスタートを決めたこと、ソルヴェイグを見ても強気に行ったこと。ここまでで松山騎手は仕事の7割は完遂しているよ。おまけに4コーナーでシュウジを突き離すような仕掛けも見事だった。最後まで残せる脚があると判断してのものだろうし。

 

<菊池> 今回に関しては、何といってもノーザンF天栄(福島県)を使用していたことも驚きでした。見事に結果を出したとも言えます。(※関西馬はノーザンFしがらき、関東馬はノーザンF天栄を利用するのが通例。一部例外有り。)

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※画像は「JRDB直前情報画面」血統・外厩タブのデータ


<京介> 外厩を変えていたんだよね。その成果がここまでしっかり出ると、何も言えないという部分はあるよ。こういった機微を見逃してはいけないと改めて思わされる事例だね。

 

<菊池> この後は、また来年の高松宮記念かその前哨戦まで待ち、でしょうか。

 

<京介> うーん、結局マイルで踏ん張らせるような馬には造らなかったんだよね。使える番組がない、と見切って休ませるのか、海外のそこそこ強力な相手にぶつけるのか…。自分は遠征してみてもいいと思うんだよ。

 

<菊池> 消耗の激しいタイプなので、G1激走後の連チャンは利かないと思っています。一息入れてくれれば…かな。

 

ソルヴェイグ

 

<菊池> 追い切りを見ていて、絶好調だけは間違いないと思いましたが。

 

<京介> ラストまでビシッと脚を伸ばし、非常に体がキレている状態に見えた。木曜日の推奨穴馬も、スノードラゴンかこの馬か、と思っていたんだよ。函館スプリントS勝利は、高速馬場決着での高い性能を見せていたから。

 

<菊池> 馬体重がマイナス10kgでした。某競馬予想番組で、某調教捜査官先生が、「この血統は輸送するとカイバを食べない」とおっしゃっていて、妙に納得しましたが、やはり体は減りましたね。

 

<京介> うん。胴回りはかなり寂しくなっていた。現場での見た目にも、あとで映像を見てもそう思ったよ。だけど、筋力が足らないから背中がブレてしまうようなら、細く造ったことがマイナスとなるんだけど、それがなくて後肢をしっかり力強く蹴り出せていたからね。これだとギリギリに絞って緊張感がある状態、と判断できる。軽い芝ならなお良いから。

 

<菊池> 田辺騎手も完璧に乗っての3着だったように思います。同時にミッキーアイルがバテずに踏ん張ったことも、この馬が3着に入れた要因だったでしょう。

 

<京介> シュウジがホント邪魔だったね。手応えがあるのにミッキーアイルに対し4コーナーで半馬身遅れてしまったし、直線は抜け出す際に必死に抵抗されて進路がなく。苦しい競馬だったし、ミッキーアイルに並びかけることもできなかった。シュウジがサッと直線で垂れていれば動き出しは違っていたはず。

 

<菊池> 次はどこで狙えますかね?

 

<京介> ちょっと今回の仕上がりは反動が出そうな感じだから、しばらく待ちたい。荒れた馬場よりも速い馬場、スピード持続力が問われる条件。フィリーズレビューを再現できそうな場面がいいね。

 

<菊池> 函館スプリントSは結果的に外枠で勝ちましたが、内で上手く立ち回った時にこそ勝機がありそうですね。ただ、阪神カップとかは合わなそうなので、その点は強調しておきたいところ。

 

<京介> それにしてもあの当時から比べると、ホント能力がグングン上昇してきたね。自分は少し不利があっての3着だと思っているし、この世代はもうすぐ古馬を圧倒しそうだわ。

 

その他

 

<菊池> シュウジは4着。こちらは、体を増やしていましたがどのように映りましたか?

 

<京介> 動きも本当に機敏で、抜群に良かったと思うよ。そこは褒めておきたい。ミッキーアイルに並んで併走できなかったのは、川田騎手が掴みきれなかったところがあるんじゃないか。来年は期待が掛かる1頭だろうね。

 

<菊池> 5着はスノードラゴン。この馬も惜しい競馬でしたね。JBCスプリントに期待でしょうか。

 

<京介> いやホント仕上がりは良かったけれども…。雨が続いてくれなかったのが残念だね。ラスト1Fが12秒5ぐらいに落ちるような馬場だったらあるいは…だよね。肉付きもしっかりしていて皮膚が薄く見えるぐらいだから、ここ最近ではかなり仕上がっていた。JBCスプリントに出るなら自分も期待したい。

 

<菊池> 4番人気のダンスディレクターが15着に大敗しています。

 

<京介> これは単純に、まだ本調子に戻っていないからだと考えている。序盤の追走で後手後手に回ったのは事実だけど大きな不利を受けてのものではないし、行き脚が付くときのフットワークも空回りしていた。重賞を勝ち負けする水準に立ち直ってきてくれれば十分足りる、決め手はこのメンバーでも最上位だとデータでは理解できているけど、今回はまだまだだった、という解釈。

 

<菊池> 1番人気のビッグアーサーは12着、直線で進路を確保できずに、最後は躓いてしまいました。

 

<京介> これはちょっと長くとって回顧しようか。まず、パドックは全く文句のない状態だったと思う。発汗のことを言われていたけど、当日の中山競馬場は10月なのに30℃に迫るほどの蒸す暑さだった。ホントいい風が吹き込まなかったんだから。

 

<菊池> 夏競馬で発汗することなんて不自然じゃないというのと同義だということですか。

 

<京介> もっとひどい発汗をしていた馬でも、午前中から激走した馬が複数いたし、スプリンターズSともなれば、抜群の仕上がりで出た馬は軽く興奮しているのが普通。あのパドックの数歩の映像だけを見てあの発汗は怪しいとか言ってるのは、絶対にパドックに出向かない言いっぱなしの人でしょう。

 

<菊池> ともあれ、発汗は影響がなかったと。つまり全てはレースにありましたか。

 

<京介> まずスタートは綺麗に決まって、ソルヴェイグに並びかけても別に良いぐらいの出脚は見せていた。だけど内ラチ沿いが空いているのにそこを攻めることはせず、ソルヴェイグの後ろに付ける。他の先団・中団外の馬が要所要所で被せに動く流れで後手を踏み続け、手応えはあるのに直線に向いても進路がない。直線坂の上りで、ネロとシュウジの間が空くけれども、右からブランボヌールが来ていた。かなりシビアな所を突く形になって、他馬と接触しそうになって躓いてしまい、そこさえ抜ければという場面で減速。

 

<菊池> その前に手を打てなかったことが問題だったのではないか?という気がしますけども。

 

<京介> レース全体を見直すと、安全に行こうと、強引な競馬を避けようとして、少し後ろ向きな判断が続いた格好だね。外から動いた馬の後ろからくぐろう、いつか外に出せるだろうと数回躊躇していて、手応えはずっと抜群。だけど直線ラスト1Fチョイでも空かず、強引な進路取りをして躓いてしまった。自分はあそこは、ネロの右後肢にかすったんじゃないか、と思っているけれども、その場面でも満足に進路を取れなかった証拠でもあるね。

 

<菊池> 他の各ジョッキー。特に内田博幸騎手は強気に攻めていた感がありましたね。

 

<京介> 今年はどういう意識改革があったのか知らないけども、今年の福永騎手はここまで制裁点がたった6点。「不利を受けるのはレースの組み立てが悪いから」という意識がだいぶ強いし、レースの序盤から見事な運び方をすることが多い。

 

<菊池> 昨秋に落馬で負傷したことも影響しているんでしょうね。長期の戦線離脱後に騎乗スタイルが変わるのはよくあること。

 

<京介> そういう面もあるかもしれないけど、早めの判断で東京・中山の成績が劇的に良化している。58kgを背負って最内から突っ張ったセントウルSの騎乗は多方面から称賛があったし、あの競馬をここでも同じくなぞってくれる、少なくても下げはしないと考えた人が、11番でもこれだけ評価したんでしょう。

 

<菊池> 馬券を買う立場としては、前走で逃げてくれたことで、「1枠1番だと包まれるかも、不利を受けるかも」という恐怖感が軽減したことは事実ですね。

 

<京介> だけど実際は、福永騎手は味方から背中を撃たれる致命的な背景があったよね。セントウルS後に、藤岡健一調教師が逃げてほしくなかった・他が行くので絶対に控えるよう指示があっただけでなく、直前のコメントでも「1枠だけれども絶対に逃げることはない」と表明していた。

 

<菊池> うーむ。どういった意図があったのでしょう。

 

<京介> これって普通逆だよね?周囲からしょーもない批判が来るのをシャットアウトするよう「逃げる手も見せたということで幅が広がった」とフォローするべきだし、直前も「いや、この枠なら逃げてもいいし好位でもいい」と選択肢を与えて他の陣営を惑わせるようなコメントを出した方が、福永騎手だって楽でしょう。

 

<菊池> そうなんでしょうか。

 

<京介> 「好位で運んでちゃんと折り合うような形が理想(=じゃないと自分は認めない)」とか、どうして福永騎手の乗り方を縛るようなことを言うのか。おまけに、ミッキーアイルの松山騎手にもむしろ思い切りの良さを引き出してしまう。相手が絶対に逃げないと分かっているんだから。ミッキーアイルなんて、外に張り出すような隊列にしてしまえば脚が溜まらない馬なんだから、もっと簡単に潰せたんだよ。

 

<菊池> 藤岡健調教師が出した発言の真意が分からないので何とも言えませんが、結果的にミッキーアイルにスムーズな競馬をさせることになってしまったのは悪い手でしたね。

 

<京介> 福永騎手があのスタートを切って慎重になり過ぎたのは、逃げてもいいよという指示を受けて「ミッキーアイルが強気に来た、じゃあハコ内に」という流れではなく、「ソルヴェイグが速い、じゃあ控えないと」という判断にすり替わったからだよね。

 

<菊池> いや、そこは憶測の域を出ないので断定はできないですけども。

 

<京介> 今回はスプリント戦で陣営が甘い判断で臨んだから、他の馬の主張がやたらと通ってしまい、どんどんイニシアティヴを奪われて自分の競馬にできなかったという流れ。やっぱりG1は、陣営が一丸となってこそだし、気の悪い馬の場合は騎手にもう少し選択肢を与えるべきでしょ。

 

<菊池> 乗り方にかなり限定的な注文があったのだとすれば、ですね。

 

<京介> そもそも控える競馬でスプリント戦を勝つなんて思想そのものがクソったれだと思うんだけど、それを騎手に強いたばかりでなく、馬が気分良く競馬する条件を与えずにハードルを高く設定したばかりか、福永騎手の戦略を批判して立場をどんどん悪くする方向に追い込むのか。こればっかりはホント意味が分からない。さすがに今回のは誰が見ても人災でしょ。

 

<菊池> うーん、結果を出せるであろう状態に仕上げてあったのに、あの結果。瞬間的に憤るのも無理はないと思いますが。

 

<京介> 悪い乗り方になったのは福永騎手だけれども、そうなるように誘導したのはあんな冷たい発言をした藤岡健一調教師だと考えているよ。一切福永騎手の味方をしてくれそうにないそぶりもあったし。

 

<菊池> そこの責任の所在は何とも。ただ、馬券を買うイチ個人として、ラッキーナインやロケットマンが負けたときのことをしっかり思い出して反芻すべきだったと反省しましたよ。

 

<教訓まとめ>

 

・この夏に17秒台の記録で重賞を勝った馬が、13着。高速馬場に変わっていたこともあり、直近のレースで高い走破力を示している馬の方が、ゴール前の踏ん張りで一歩出る。良馬場なら良い記録で出世してきた馬の勢いを軽視すべきではない。

 

・ほぼ全ての馬がパドックでおとなしく、返し馬でも折り合いがつく時代になった。結果として平均速めぐらいのペースで先行馬が併走し、上がりをまとめられる馬が直線で残る展開が増加。そうなれば直線で渋滞が起こるのは必至。近年のスプリンターズSは、馬群の内を割る馬ではなく、外枠の差し馬が不利なく勢いに乗って差し勝つという流れが多い。同時に、栗東坂路調教組の上位独占がなくなり、コース調教馬や併用タイプの激走も生じて、関東馬が通用する余地が増えてきた。

 

・上がり最速候補の差し馬が今年も激走。今年の推定上がり最速候補は、ダンスディレクターとレッドファルクス(ほぼ同率)。

 

・かつてスプリンターズSぶっつけというのは不利な傾向だったが、最近は放牧先(外厩)で十分に体を作り込んで仕上げる期間を延ばすための休み明けであり、今年のレッドファルクス&ミッキーアイルが休み明けぶっつけでも単勝人気をやたらと集めたのは、調整過程でほぼ万全というポジティブな情報があったためだと推測される。「当日人気になる休み明け」は嫌うべきではない。

 

 

<次走巻き返し警戒馬>

 

<京介>

・ブランボヌール

…このタイミングで馬体がまだ増えるというのはちょっとした驚き。相当細い状態で走っていた馬だが、3歳夏を越してどんどん筋肉が増えている。母親は500kg前後の良い体格だった馬だけに、肉質が良くなってきているのはポジティブになれる材料。今回はスピード経験不足。この秋にもう1走してもいいし、来年頭に成長した姿を見せてくれるならなお期待したい。

 

<菊池>

・レッツゴードンキ

…夏のダメージは感じさせず、状態はむしろ上向き。今回は展開待ちの競馬でハマり待ちだったため着順は仕方なし。さすがに1200mG1らしい流れではヒケを取るが、阪神カップあたりで中~外枠を引けばチャンスがありそう。

 

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<菊池> では、今回はここまでです。今週末はサウジアラビアRCと毎日王冠を京介さんと、京都大賞典をオクノさんと展望していきます。

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