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< 2018年4月 > | ||||||
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JRDB関東パドック班・金子京介と、競馬大予言の主軸ライターであり競馬データ分析家の菊池グリグリがお届けする、中央競馬の重賞回顧。
週末の重賞展望トークの振り返り、レース分析、次走注目馬を盛り込んだ濃密な回顧対談!
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16年夏競馬号
京介・菊池グリグリの「小倉記念回顧!」
<菊池> 日曜日の小倉では小倉記念が行われました。こちらも回顧していきましょう。
小倉記念回顧
小倉記念の展望トークはコチラ
https://regimag.jp/s/blog_publisher_view/detail/blog/725/entry/ 71919
<天候・馬場について>
<菊池> 小倉は土日ともに、かなり暑そうでしたね。赤木さんのお体を案じておりました。
<京介> 返し馬に行かず、パドックと館内の往復だけだったら、小倉は随分楽な方だと聞いたけどね。でもだいぶ階段の上り下りしんどいと言ってるから…。
<菊池> そうそう。返し馬を館内から見られて、スタンドの作りも福島競馬場に似たような感じなので楽なのですが、上り下りはだいぶありますね。JRDB的に最も楽なのは福島競馬場だと思います!(北海道の二場にはまだ行ったことないけど。)
<京介> 確かに福島競馬場の構造は理想的だね(笑)。人が入らないからできる造りでもあるけど。
<菊池> 馬場状態としても、見た目には引き続き良好でしたよね。
<京介> 馬場は良いんだけど、開幕週よりも時計が掛かっていなかった?
<菊池> そこは少し気になるところ。
<京介> 1日目の3歳未勝利戦の芝1200mで1分8秒1、芝2000mで2分0秒6が出ていたのに、今週は500万下の芝1200mで1分8秒前半、500万下の芝2000mで2分1秒1。もちろん各レースごとのレベルの差があっておかしくないけど、今週は全体に1秒ほど時計が掛かっていたと思うよ。
<菊池> そうですね、単純比較は微妙なところですが。
<京介> 土曜日の九州スポーツ杯は、前半3Fが32秒2という超Hペースだったのに、終わってみれば1分7秒7、2着以下は1分8秒台で落ち着いているし。
<菊池> オープンでもなかなか出ない水準のペースだった割には、普通の時計でしたね。
<京介> それとこの日は、何だか奇妙な落馬も多かったし、めちゃくちゃな決着になることも凄く多かったようで、いろいろ騎手の側も混乱していたのかなあ。馬が暑さにやられてた、コース上に変な虫がやたら飛んできた、実は隠れて水撒きし過ぎて脚を取られたとか、何か知り得ない要因があったのかもしれないね。
<パドックについて>
<菊池> 少頭数でしたが、ある意味で濃ゆいというか、独特のメンバー構成でした。映像でパドックを振り返った印象としてはいかがでしょう?
<京介> 小倉のパドック映像はそもそも角度が悪すぎてわかりにくい方だけど、今回は馬の正面・斜めの画が多すぎてさらに分かりづらかったわ。
<菊池> 全く改善されませんよね!小倉のパドック映像は。ホントいい加減にして欲しい!
<京介> そんなに怒ってたのかよ(笑)。
<菊池> いや、ホントね。せめて福島くらいにして欲しいです。設計ミスのせいなのかもしれませんけども。
<京介> ただ、この夏場を好んでシャキシャキ歩く馬がいたかというと、映像だけではちょっと見つからない感じだったね。クランモンタナもあの映像内容でピンと来るか、と言われるとさすがに無理だわ。
<レース展開について>
<菊池> 概ね揃ったスタートでしたが、9番リヤンドファミユが出遅れ。4番アングライフェンも良いスタートではありませんでした。
<京介> リヤンドファミユはゲートにまだ問題があるようで、最初に入れていた。気性の難しさが未だにあるみたいだね。これでこんな出遅れもしてしまうわけで。
<菊池> これはもう、今更直らないでしょうね。
<京介> アングライフェンと一緒に、ベルーフもちょっと良くなかったね。映像だとちょっと微妙に見えたけど、パトロールVを確認したら接触されたわけではありません。
<菊池> スタートを決めた7番メイショウナルトが促して楽に先手を奪えました。
<京介> メイショウナルトのゲートセンスは相変わらず良いな。
<菊池> 2番手の3番クランモンタナの方は和田騎手が気合を入れるようなアクションがありましたね。テン乗りでしたが、予め先行策は決めていたような動きに見えます。
<京介> そう。ゲートが開いてから追っ付け追っ付け。これで果敢に主張するのか、ぐらいの動きに見えたね。
<菊池> 外からは10番ウインリバティが3番手。内に入って8番テイエムイナズマがその後。前の隊列は早々に決着してペースが落ち着いたのも早かったですね。
<京介> まあ、有力差し馬に乗った騎手から見える光景からは、前に行った馬は全くケアしないで良いはずのキャラばっかりだったしね。
<菊池> 人気の1番サトノラーゼン、11番ダコールは中団やや後ろから。6番マーティンボロ、12番プランスペスカあたりと集団を形成していました。
<京介> フルゲートだったら並び的には中団だったけど、この少頭数だから後ろの組扱いになる。この位置を進んだ馬は、もう前だけ見て競馬すれば良いムードだった。
<菊池> 前半1000mの通過は60.5秒。メイショウナルトがレコードで勝った13年は58.0秒、稍重の一昨年ですら60.0秒ですから、かなり遅いペースでしたね。
<京介> メイショウナルトの鞍上が替わったからね。それに好位を占める馬もマークが甘めで、おまけにクランモンタナは向正面手前で追っ付けになるぐらい手応えが悪いから、まだまだ遅くできると思わせるムードだった。
<菊池> その流れを見かねてか。最後方にいたアングライフェンは2コーナー過ぎで一気に動いて浮上。3コーナー手前では外の3番手に並びかけていきました。
<京介> これはまあ、正しい判断でしょ。もう1000mを通過しているし。
<菊池> ここでクランモンタナはかなり手が動いていて、一方のメイショウナルトは持ったまま。どちらかと言えば、メイショウナルトが残るシーンの方が浮かびましたが。
<京介> このコーナーから直線に至る過程で、自分もクランモンタナからは目を切ってたよ。
<菊池> 3コーナー過ぎでは中団以降の各馬も仕掛けて馬群は一気に凝縮。団子状態で4コーナーを回ってきます。道中は随分楽にも見えたメイショウナルトが追い出すとまるで抵抗できず。一気にクランモンタナとアングライフェンが先頭に並んで直線へ。
<京介> 後方の馬も勢いがついているから、若干外に膨れ気味にはなってる状況だね。
<菊池> 道中動いたアングライフェンの方が苦しくなって、クランモンタナが先頭。そこへ差し勢が台頭…と思ったら、意外と差が詰まらず。手応えが良いかに見えたマーティンボロやダコールの伸びも一息。
<京介> この直線入口の所で、マーティンボロが手前を替えた時に外に体が流れてしまって、真後ろにいたダコールの進路を遮ってしまっているのね。その真後ろにいたベルーフも大外へ軌道修正せざるを得なくなった。現場で見てた時は「ダコール顔を傾けてモタれたか?」なんて思ったけどそれは勘違いで、マーティンボロが斜行してきて急に対処しなければならなかったためだね。
<菊池> ほうほう。これについては鞍上の御法も含めて制裁の記事で話しましょうか。
<京介> そうだね。映像を見ながら振り返りましょう。
<菊池> そうこうしている間にクランモンタナのリードが大きくなり、中団勢は追いつけず。替わって伸びてきたのは、4コーナーを最後方付近で回ってきた2番エキストラエンドと5番ベルーフ。
<京介> エキストラエンドは後方の内でジッとしていて、直線もまだ包まれそうだったけど、マーティンボロ以下の3頭がみんな外へ流れてくれたために、進路がガバッと開いたものだね。
<菊池> 一気に内へ舵を切って伸びてきました。
<京介> ベルーフはホワイト騎手が上手かった。姿勢を崩さず外に流れるのに任せ、エンジンを暖め直すような感じで自然と姿勢を真っすぐさせて立て直したね。もちろんロスは大きいけどスピードを殺さなかった。
<菊池> 特にベルーフの方は伸び脚がよく、クランモンタナに迫りましたが交わすには至らず。結局クランモンタナが押し切って1着。2着にべルーフ、3着にエキストラエンドで入線しました。
<京介> いやー、ダコールには厳しい結果となってしまったね。
<結果を受けて…>
<菊池> 勝ち時計は2分0秒0。ペースの話で稍重だった14年(1着サトノノブレス)を引き合いに出しましたが、決着時計も遅かったですね。過去10年で4回もレコードが更新されている小倉記念において、良馬場で勝ち時計が2分に乗ったのは01年以来。
<京介> 時計が若干掛かっているかな、と実感できていたとしても、想定したのは1分59秒ぐらいだわ。最近の良馬場の古馬重賞としては、相当遅いでしょ。ましてや全面野芝開催なのに。
<菊池> 良馬場で前半1000m通過が60.5秒、かつレースの後半3Fが36.1秒って、開幕2週目に行われる古馬の芝重賞としては、見たことのない水準だと思うのですが。
<京介> 洋芝の函館記念や札幌記念ですら、もう1分58秒台が出る水準だというのに、現代競馬でパンパンの良だと思われていた場面で2分を超えるのは、もう中京競馬場ぐらいでしょ。それだけ珍しい決着だったということだし、あるいは「パンパンの良」ではなかったのかもしれない。これは情報を集めたいところだね。
<菊池> 雨の影響がない状態で、開幕週より2週目の時計が遅かったということも考えると、色々と不可解な部分があります。
<京介> エアレーション作業をした上で、散水をかなりしてるということなのかな。馬場情報の表記には確かに「1日~5日芝の生育管理のため散水を実施」とあるけれど、自分はテキトーかつ軽めだとばかり思っていたわ。額面どおり馬場に影響が出るぐらいに撒くのだったら、ちょっとはわかるわ。だって予報で「この夏一番の猛暑」が予想されているわけだからね。
<菊池> 馬場が多少おかしかったにしても、なんでこんなヘンテコな結果になったのでしょうか。展開読みではまず当たらないですよね?
<京介> ヘンテコとは言っても、今回人気になる馬は「相手が弱く、変わり身が見込めそうにない高齢馬ばかりだから」仕方なく人気していた馬ばかりだから、人気馬が全部コケた結果ではあるよね。
<菊池> うーむ。
<京介> そして、スローならば上がり勝負となるだろう考えも、「馬場の質がかなり軽い小倉」を前提で考えているからだよね。まあ正直、木曜日想定の時は馬場情報を見れないし、今週の競馬が始まってやっと「小倉の芝って、妙に時計が掛かっているかも…」と気づくけれど、本格的にスタミナ型を拾わないといけない、と考えを切り替えるほどの情報は集められていなかった。まあ、現場でもスピードタイプを評価する流れだったろうから、この人気になったんだろうけど。
<菊池> 確かに人気に色々間違いがあったとしても、仮にこのラップだけが先に出ている目隠し問題だったとして、この3頭の組合せを選べない…(苦笑)。ディープインパクト産駒の1・3着だし。みんな暑さでバテまくって、唯一の芦毛先行馬と、最後方付近で脚だけは溜まっていた2頭が追い込んで浮上?どうまとめりゃいいんですか、このレースは(苦笑)。
<京介> でも、その通り数字で説明しづらい状況・かつ馬柱の文脈無関係のレースになったのは確かだよね。暑さでバテるような気候の時は、高齢馬が突然思い出すように復活するというのも、こうした大荒れレースでは起きることだね。
<菊池> ほう。
<京介> そして前提条件が世間の想定から大きく異なり、なると、血統が効いてくるなと改めて思ったよ。小倉記念のトニービン神話とディクタス最強説は、また今年も補強された格好だね。
<菊池> その点は確かに。それこそ「ディープ産駒」みたいな単純なものではなく。
<京介> あとは、馬だけの話じゃなく、アングライフェンが捲ってきた時に鞭連打で抵抗した和田騎手。そして直線何かあった時に内が開くはずだからと、外に持ち出すことは一切せず、あんな壁の後ろで直線まで待っていた浜中騎手。変なことが起こる時は、「小倉のツボ」「小倉の乗り方」を身に染みて分かっている騎手がいい目を見る、というのもあった。
<菊池> 毎年、夏は小倉で乗り続けていて、引き出しの多い二人ですね。人気馬が集まりますが、人気薄で好走させる機会も多い二人。
<京介> 自分はざっくりした予想だったら、「高齢馬ばかりで停滞メンバー、上位人気も相当怪しい」→「だったらいい騎手に当たった馬を見直してみよう」の考えがあっても良かったな、とは思った。
<菊池> 案外配当も伸びなかったですからね。これで3連複3万馬券程度かよ、という感想になりました。
<京介> でもまあ、そういうまとめをするからには、通常の小倉記念とは趣が異なる例外の年だった、だから今後今年の結果は重視しない、とは考えておきたいよね。
<菊池> 今更ダコールが1番人気になるメンバー、そして、馬場や天候が狂っていた。というのが、主な要因でしょうか。では、上位馬を中心に1頭ずつ振り返りましょう。
クランモンタナ
<菊池> こんなこと後出しで言ってもダサいだけなんですが、実を言うとね、僕一回、穴馬推奨でこの馬の名前を書いたんですよ。
<京介> それはちょっとダサいね(笑)。
<菊池> 母父トニービンで夏馬。だから去年も狙ってたんです。でも、けっこう展開が向いて4着だったんで、昨年くらい上手く行ったとしても今年の方が若干相手も強いように見えるしなぁ…とやめました。
<京介> こういう突然一変する夏馬って、近走の内容に補強材料が全くないから困りものだよね。心の中であと一押しをしてくれる材料がないから、怯んじゃうものねえ。
<菊池> そうなんですよね…。
<京介> 直前の追い切りで言うなら、いっつも併せ馬でズブすぎて遅れまくる馬だったのに、今回は和田騎手の追い切りで、根性で食い下がっていたというのはあったけど…。
<菊池> けど。
<京介> いやー、でも怪しいかなと思っていたとしても、直前のパドック映像であんな最悪な角度ばっかり見せられたら、自分は萎えてしまいますわ。
<菊池> 次は新潟記念に向かうと思います。どう扱いましょう。
<京介> うーん、どうだろう。ハンデは間違いなく重たくなるよね?これだけズブい馬が、56kg背負って区間10秒台~11秒台前半の加速勝負じゃ無理だと思う。勝つことはおそらくないし、逃げ馬の頭数次第で3着あるかどうか、ぐらいの軽い扱いでいいんじゃないかと。
<菊池> かなり展開面も狂ったレースでしたからね。新潟記念でも惜しい競馬をしたことがあるのですが、次は斤量も背負うし。
べルーフ
<菊池> こちらは比較的解釈をしやすい好走でした。京成杯を勝った時と似たレース運びをしましたね。
<京介> 菊池くんも穴馬推奨していたでしょう。どうしても人気しちゃう馬だけれど、お見事でした。
<菊池> 小出しに脚を使うのが苦手なハービンジャー産駒、適度に前崩れになってくれる小倉記念は合うってことかと思っていますが、どうでしょう。
<京介> その解釈でいいと思う。昨年は時計の速い決着でも対応したけど、好走しやすいゾーンは力のいる馬場の方だと思うし。というか、北海道シリーズに行ってみてほしいんだよなあ。
<菊池> ホントですね。池江センセイは比較的、小倉寄りなんだよなぁ…。ゲスの勘ぐりしたくなるわ!(笑)。
<京介> それはやめておきましょう(笑)。話は戻るんだけども、小倉記念で2度好走しているけど、夏馬というわけではないでしょ。好走のツボが他のオープン馬と比べてやや狭いタイプというだけだよね。
<菊池> 上がり最速とは言え35.2秒。新潟記念に向かうとして、どうでしょうね。
<京介> 自分も。この馬も、新潟コースはあまり向いていないと感じるけどね。
エキストラエンド
<菊池> こっちに印が回せませんでした!
<京介> いやー正直、全然追い切り内容も変わって来ないよね。勝ち馬目線の予想だとどうしても難しくなってるタイプだわ。
<菊池> 展開が向いたことが最大の好走要因だと思いますが、久々の2000mも良かったのでしょうか。あと、とにかくロスのない競馬ができました。浜中騎手は、先週とは一変していましたね。足踏みしまくりだった先週の雰囲気から心配だったのですが、人気薄での勝利も挙げて区切りの800勝も達成しました。
<京介> 浜中騎手は開幕週が??という感じだったけど、今週は修正してきたのか、今週の方がリズムも合ったのか、6勝の固め勝ち。前日の競馬終わりぐらいから複勝が妙な売れ方をしていたし、現地票がだいぶ入ったような状況だったかと。
<菊池> 喝が入ったんでしょうか。なにせ、小倉で浜中騎手がアテにならないとなると馬券が買いにくくなるので、これは助かりました。
<京介> レースを分析した後だと、マーティンボロの斜行によって進路が空いてくれたことが一番の好走要因だけど、そういうアクシデントに即応した浜中騎手の集中力は褒めておきたいね。
<菊池> でも、京都金杯や東京新聞杯で複数回好走している馬を、この暑い暑い小倉記念で買おうとは思えなかったなぁ。
<京介> 勝ち負けに届くのは確かにその条件なんだけど、その時期が過ぎてからはもう大まかに出来が変わらないまま安定してるタイプだね。いろいろ試した中で、今回は工夫がハマった場面だったと考えたい。
<菊池> 上位3頭の中では、最も新潟記念でやれそうな馬、でしょうか?
<京介> いやさすがに上がり目がね…。チャンスはあるから検討しないといけないけど。
その他
<菊池> 1番人気のダコールは4着でした。
<京介> いや、これは直線で受けた致命的な不利が大きかった。ラスト200mを切ってからエンジンを掛け直すことを考えたら、58kgと言うのは重たかったよ。結局あの不利で、惰性を切ってしまってるからね。
<菊池> 一つ言えるのは、「こんなレースになったのに、それでも七夕賞と小倉記念の連続連対ってできないんだ!」ということ。やっぱり極悪ローテなんですね。
<京介> 1番人気になってしまう力関係だったわけだし、今回は大チャンスかと思ったけれど。確かにそのジンクスはどうしてもぬぐい切れてないね。現状維持で何とか頑張る七夕賞好走馬は、もっと上積みが大きかった馬に必ずやられてしまう、と考えた方がいいか。
<菊池> 個人的には、◎マーティンボロがやってくれたか!と思ったんですけどね。こちらも伸びずバテずの流れ込みになってしまいました。
<京介> 直線で外に張っただけでなく、パトロールVを見たらわかるけど、修正して内に戻した後、舌越しして完全に気を抜いている。うーん、こういうのが勝負所で出ちゃうようだと、やっぱりスランプだなあと感じるよ。
<菊池> サトノラーゼンは、道中の運びとしては良かったと思うんですけどね。
<京介> 小倉記念のように、惰性が付いた差し追い込みがハマりやすい条件で、インベタピッタリというのは実はうまくない。だけどレース運びは不利なく仕掛けも完璧だったし、あそこから数頭パスできるぐらいの脚は見せないとおかしいよね。結局前捌きが硬すぎて、バネ性能が落ちているから、あの程度の脚しか使えないってことかな。
<菊池> プランスペスカはどう振り返りましょう。個人的には、内枠好走→今回外枠、って安易に飛びついてはいけないな、という月並みながら重要なポイントを反省、かな。
<京介> だけど今回のように上がりが掛かる流れで、全く反応しないとはねえ。ホントアテにならない馬だなあ。まあ正直、あまり動かない方だとは言え追い切りも良くはなかった。
<菊池> うーん、悩ましい。
<京介> いい脚が一瞬、勝ちに動くと全然ダメ、連続好走できないタイプ、アテにならないキャラと言うことを踏まえて、単勝20倍超えている時だけチェックするようにしよう。
<菊池> 何というか、色々よくわからない小倉記念でした。色々と矛盾点があり過ぎて、もうなかったことにした方がいいんじゃないか?って思うくらいなんですが。
<京介> 自分は、新潟のパドックでも思ったけど、夏の暑さは順調だったものを狂わせる影響が大きいなと。「ここ一番の暑さ」となれば、直射が肌にキツイだけじゃなく、(馬が)変な挙動を起こすし(馬場にも)変なものが湧くし、馬場造園課も変な動きをしてくるし。この時期は「晴れ予報=いつも通り正常な競馬」だと安易に考えない、これは教訓として持っておいた方がいいと思った。
<菊池> 改めて競馬の難しさを教えられました。
<教訓まとめ>
・今年のレース結果は、例年とは大きく異なるものだったと考えたい。例年通りの馬場状態でもなく、メンバーも低い方で、おまけに直線で複数に影響を与える大きな不利もあった。(むしろそういう環境になったからこそ、スタミナが活きて「小倉記念で有利な血統」がクローズアップされる結果に。)
・新潟記念でパッションダンス(10番人気)、函館記念でケイティ―プライド(13番人気)、七夕賞ではワンツー、そしてここ小倉記念でクランモンタナ(11番人気)。ここ最近高齢ディープインパクト産駒の激走に驚かされることばかりだが、この芝2000mのハンデ重賞こそ、ディープインパクト産駒の変わり身一変期待値が一番大きい条件。
来年のサマー2000シリーズも要注意!むしろ前走で「走る気配がなさそう」に見える馬こそ、敢えて評価したい。近走の文脈抜きで走れる性能の高い血統なので、人気がないほど良い。
・馬のリピート好走も注意すべきだが、この条件でめっぽう強い池江泰寿厩舎のリピート好走や、和田竜二騎手の連続好走など、人の側も連続激走がある条件。馬券を買う側からすれば、和田騎手の必死の叱咤や、浜中騎手の小倉攻略センスの高さがどれだけありがたいことかと。
<次走巻き返し警戒馬>
<京介>
・ダコール
…わかりやすく直線大きな不利を受け、58kgでは再加速しきれなかったという内容。小牧太騎手は相変わらず小倉記念だけハマらない。ここで星を落としたのはもちろん痛いが、疲労を残さない負け方だったともとらえられるか。年齢的にもポイント的にも、サマー2000シリーズ制覇の最後の大チャンスだけに、新潟記念は本腰入れた仕上げが見られそう。昨年よりも新潟記念に向かうローテーションは良い。直前の栗東坂路追い切りに注目。
<菊池>
・プランスペスカ
…好走した鳴尾記念とは異なる要素が多すぎた。ただ、この後に適鞍がなさそうなのでしばらくは見送る機会が続きそう。カシオペアSで内枠?とか、色々状況が揃った時に。
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<菊池> では、今回の回顧はここまでです。今週は関屋記念とエルムSを展望していきます。
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