調教診断は7頭、有力馬診断は2頭を取り上げています。
有力馬診断では狙える理由を長文で詳しく解説しています。
有力馬診断は[7]、[6+]の2頭についてかなり詳しく書きました。
これを知っているか知らないかで大きな差が出るはずです。
予想では「穴馬」と「誰にも教えたくない大穴馬」を取り上げます。
有力馬診断を事後公開します。
■有力馬診断
■[7]レーヌミノル 3着
小倉芝1200mの新馬戦は3番手からメンバー2位の35.4秒で抜け出して快勝。最後は流す余裕があった。小倉2歳Sは2番手から早めに先頭に立ち、メンバー最速の34.6秒で後続を引き離し6馬身差で圧勝。馬体6キロ増で少し余裕残しの仕上げだったが、前半3F33.3秒のハイペースで手応えよく進み、直線で鞭を使わず最後は流す余裕があった。前走京王杯2歳Sは2番手からメンバー4位タイの34.2秒で伸びて0.1秒差の2着。直線で追い出しを待つ余裕があったが、上がり勝負になりモンドキャンノに切れ負け。もっと速い流れで地力勝負に持ち込む手もあったが、次走の阪神JFが目標のため、目一杯のレースをしたくなかったのだろう。距離1F延長、前半3F35.7秒の緩い流れで折り合いがついたように収穫はあった。
小倉2歳Sは接戦になることが多く、大きな差をつけて勝つ馬は稀。03年の小倉2歳Sを5馬身差で圧勝したメイショウボーラーはデイリー杯2歳Sを勝ち、朝日杯FSで2着(不利な大外枠)に入っている。レーヌミノルの6馬身差の圧勝はメイショウボーラー以来となる。前走京王杯2歳Sは同日の京都でファンタジーSが行われていたが、レーヌミノルは敢えて牝馬同士のファンタジーSではなく京王杯2歳Sに使ったのは、ファンタジーSに怪物フランケル産駒のミスエルテが出走すること、過去2年の阪神JFの連対馬4頭が全て前走東京に出走していたことを陣営が考慮したのではないか。直線の長い東京コースは阪神外回りとリンクしやすい。前走京王杯2歳Sは2着に負けたが、あくまで阪神JFを勝つためのステップと陣営は割り切っている。
本田調教師は騎手時代に86年の阪神3歳Sをゴールドシチー(牡馬)で勝ちG1初制覇。阪神3歳S(現・阪神JF)が牝馬限定になった後は、00年にテイエムオーシャンで制している。本田調教師にとっては思い入れの強いレースなのである。テイエムオーシャンは芝1200mの新馬戦1着、500万条件1着、札幌2歳S3着の後に阪神3歳Sを制した。レーヌミノルは芝1200mを2連勝して前走京王杯2歳S2着。前走の距離は違うが、同じステップできている。現時点の完成度が高く、芝1200mでもやれるスピードがあり、底力も備えている。デビュー以来、牝馬には先着を許していない。最終調教は栗CWで3頭併せで先着したが、スピードの乗りが良く、鋭い脚捌きでいかにも調子が良さそうに映った。本番の仕上げを施されている。
今年行われた芝1400m以上の2歳重賞で前半5Fが60秒を切ったのは、京王杯2歳SとファンタジーS(高速馬場)のみ。ファンタジーSを勝ったミスエルテは朝日杯FS。芝1600m以上の2歳重賞は全て前半5F60秒以上だった。過去4年の阪神JFの前半5Fは57.8秒、58.4秒、59.2秒、58.7秒。阪神JFは短距離馬も出走するため、流れが速くなりやすい。レーヌミノルは馬体の造り、前走のレースぶりから芝1600mまではこなせる。現時点の完成度とスピード能力で速い流れになっても凌ぎ切るのではないか。過去10年で蛯名騎手は阪神芝1600mのG1でで5番人気以内で単勝10倍以下なら[4-0-0-0]。阪神JFをアパパネ、ショウナンアデラ、朝日杯FSをダノンプラチナ、桜花賞をアパパネで制している。
■[6+]リスグラシュー 2着
新潟芝1600mの新馬戦は中団からメンバー最速タイの33.0秒で伸びてクビ差の2着。前半5F63.2秒のスローで上がりが33.8秒。前残りの展開だった。阪神芝1800mの未勝利戦は好位からメンバー最速の34.4秒で上がって4馬身差で圧勝。全面野芝の開幕週だったが、最後に流す余裕があり、勝ちタイム1分46秒2は2歳レコード。同日の1000万条件が1分45秒8。一度使って正攻法のレースで大きくパフォーマンスを引き上げた。前走アルテミスSは外枠スタートから中団の外につけ、メンバー2位の33.5秒で差し切り、1分35秒5(5Rまで稍重で緩い馬場)で優勝。レースのラスト3Fは34.5秒でラップは11.5-11.7-11.3秒。リスグラシューはラスト3F11秒台の尻上がりラップを繰り出している。
半馬身差の2着フローレスマジックが馬体12キロ減、出遅れて位置取りが悪くなったことに助けられたが、外枠から折り合って1番人気で勝ったことを評価したい。未勝利戦で好位から抜け出して勝ったように騎手の指示通りに動ける自在性がある。アルテミスSは前半5F61.0秒のスローペースだったが、レコード勝ちした未勝利戦は前半3F34.8秒、5F59.5秒の速い流れだった。小柄な牝馬で腹目が細く華奢に映るが、父ハーツクライに似たガニ股走法で推進力があり、前3走メンバー1、1、2位の上がりを繰り出したように確かな末脚がある。今年のメンバーで阪神外回りで勝った馬は2頭しかいない。メンバー中最も早い1月生まれで陣営のターゲットは2歳重賞。今秋のG1で戸崎騎手は[0-0-0-6]。大外枠の克服がカギになる。
WAKUWAKU競馬道場
競馬アナリストGM