昨日(9/11)、「吉田調書」と「吉田証言」の二つの件で朝日の木村伊量が
謝罪会見した。朝日の社長が会見に出てきて謝罪するのを見るのは初めてだ。否、朝日の社長が会見で何か喋るのを見るのも、これが初めてかもしれない。歴史的な事件と言える。朝日の問題報道と言えば、25年前のサンゴ落書き事件を想起するが、あのときも謝罪会見などはなかった。何十年か後で、日本のファシズムと戦争が顧みられるときに、一つの重大な節目として語られることになるだろう。4日前(9/8)の
記事で懸念を書いたばかりだったが、予想を超えた急激な流れで謝罪に追い込まれ、社長の進退という展開にまで至った。ファシズムの時代の滑り方のスピードが実感されて恐ろしい。言うまでもなく、今回の謝罪会見は、あの池上彰の問題から惹き起こされたものだ。池上彰の騒動が起きなければ、朝日の社長が会見で謝罪という始末まで追い詰められることはなかった。左翼とリベラルが、右翼と政権による朝日叩きの尻馬に乗り、軽薄に狂躁し、朝日叩きをファッショ(facio)の政治にした結果に他ならない。
水島宏明らの罪は万死に値する。今、われわれは、韓国や欧米の市民社会が日本をどういう眼差しで見ているかを想像しなくてはいけない。慰安婦問題の報道で朝日の社長が謝罪会見し、安倍晋三による朝日批判が
NHKで大きく報じられている、そんな日本を
海外はどう見るか。それを考えたとき、1週間前、軽々しく「朝日は池上さんに謝罪しろ」などと言えるのか。