最初に、都知事選の
結果に関して少し疑問に感じている問題があり、そこから論を始めたい。宇都宮健児の得票数は98万票、細川護煕の得票数は96万票。この数字をどう見るかだが、基本的に、前者には共産と社民の支持者の票が流れ、後者には民主の支持者の票が流れたと、そう推測して理解することができるだろう。ただし、民主の固定票の中で、連合の票は細川護煕には入らず、逆に舛添要一に流れ込んでいる。今度の選挙は、事前に勝敗の行方が決まった戦いとなり、そのために投票率が低くなり、無党派層の票が動かず、いわゆる組織票もしくは固定票がそのまま各候補の得票値に反映される結果となった。昨年の参院選の東京選挙区の
結果を見て、今回の都知事選の票とどう連関しているかを探ってみよう。細川護煕の96万票は、大河原雅子の24万票と丸子安子の7万票と鈴木寛の55万票を合計した86万票がベースになっていると考えられる。が、このうち鈴木寛の55万票は、おそらく半数近くが連合票で、この分は今回の都知事選で細川護煕には流れていない。仮に、この86万票のうち、連合票を除く60万票が細川護煕に流れたとして、残りの36万票はどこから来たかを考えると、言うまでもなく、山本太郎の67万票からということになるだろう。つまり、一つの推計として、細川護煕が得た96万票のうち、40%近い36万票は、
山本太郎に投じた票から入っている。