1年前、銀杏並木がきれいに色づいた国会の外の路上で、毎日毎夜、大勢の人々が集まって秘密保護法反対の声を上げた。可決された12/6の夜まで、日を追ってデモの参加者数は膨らみ、寒空の下、国会の正面と裏の歩道で抗議運動が盛り上がっていた。「
秘密保護法絶対反対、廃案、廃案、廃案、廃案」と、熱のこもったリズミカルなシュプレヒコールが波打ち、国会の中まで響かせようと懸命に声を上げていた。「廃案、廃案、廃案、廃案」。声は内側までよく轟いたようで、右翼の
高市早苗をして邪魔だから規制すべきと言わしめ、また、
石破茂をして取締対象のテロ行為だと失言させるほど、彼ら推進派議員を煩わせたが、採決は強行され法案は可決してしまった。国会を取り巻いたわれわれは、目の前の建物の中での出来事を想像し、明かりの漏れる暗い大きな巨艦のような建築物を睨みながら、ただ歯噛みして立ち尽くすしかなかった。廃案にできなかった。なぜ廃案にすることができなかったかというと、銀杏並木の向こうの敷地に送りこんだ議員の数が足りなかったからである。
世論は反対が2倍の差で
多数だったが、反対議員の数が少数だったため、この悪法の成立を許してしまった。11/21に衆院が
解散されると、衆院議員はゼロになる。12/14の投票で新しい475人が決まる。もし、475人の過半数を特定秘密保護法に反対の議員へと選び直すことができれば、1年前に叫んだ「廃案」の要求を実現することができるのだ。