昨日(9/6)、午後2時から行われた宮崎駿の引退会見、14か国から600人の報道陣が集結した盛況なものだった。雰囲気はとてもよかった。官僚や政治家の記者会見とまるで違い、宮崎駿の人柄がよく出ていて、中身の吟味は別に、見ながら楽しさを感じるやり取りが進行する映像だった。特に、会場に馳せ参じた外国の記者が、それぞれ日本語が堪能で、同時にかなり熱心な宮崎作品のファンで、自国の国民に向けて宮崎駿から特別なメッセージを取るべく、精力的に質問する姿が印象的だった。台湾、ロシア、イタリア、フランス。どの記者たちも、この重大な現場に立ち合って、宮崎駿と自国のファンとの間を仲介する大役に栄誉を感じ、その使命に興奮している様子だった。外国人記者たちの声は弾んでいて、そこには、質疑以前に、「宮崎先生、大好きです」という、自らの宮崎駿への率直な尊敬と愛着の気持ちが溢れていた。また、その態度は、決して、近寄りがたい哲人から言葉を拝聴するという、緊張や萎縮が漂うものではなく、昔からの親友に接するように、フランクリーに、無邪気に、遠慮なく、対等に接するものだった。カメラは質問する外国人記者を撮らなかったが、彼らが目を輝かせていたことは想像に難くない。記者たちは満足したに違いなく、テレビを見ている私も気分がよかった。外国人記者が日本人の会見の席を囲んで、こんなに楽しい空間ができるのは初めてか、久しぶりの光景だ。