昨日(7/3)の記者クラブ主催の党首討論会で、毎日の倉重篤郎が安倍晋三に歴史認識を問い質した
場面があった。討論会全体の一つのハイライトだったと言える。「朝鮮半島を植民地支配したのかどうか」「中国大陸を侵略したのかどうか」。この質問は実はきわめて重要で、村山談話の継承に関わる問題だ。本当なら、国会において野党が質疑で追及しなくてはいけない課題なのだが、それを能くする者がおらず、この場で倉重篤郎が聴く役割となった。安倍晋三と菅義偉は、常に、村山談話の中の「痛切な反省と心からのお詫び」については、カメラの前でフレーズを繰り返し、それを「安倍内閣の歴史認識の立場」だと言い、過去の政権と同じだと強調する。だが、その前段の「植民地支配と侵略によって」の言葉は絶対に口から発しない。そして、植民地支配と侵略の歴史の事実を認めようとしない。逃げる。安倍晋三が準備している2015年の「安倍談話」では、この「植民地支配と侵略によって」の認識を削り取る思惑なのだ。倉重篤郎の質問に対して、安倍晋三は、「その判断と定義は歴史家に任せる」と言って逃げようとしたが、倉重篤郎は逃さず、「歴史認識の総合的判断はまさに政治家がすべきことで中曽根さんは判断していた」と切り出した。この追及に対して安倍晋三は、咄嗟に、「中曽根総理はそういう判断をされてませんよ」と言い返し、「されています」「されていない」の応酬が続いた。