マスコミが行っている政党支持率の数字は、各社各局によって少しずつ異なる。ただし、共通した傾向はあり、自民がポイントで民主を1.5倍から2倍近く上回って首位に立ち、その民主に維新が迫っているという構図だ。
朝日と
NHKの数字は、ほぼ似たような状況となっているが、
共同通信の11/24-25の世論調査では、維新が民主を追い抜く結果になっている。マスコミの世論調査は毎週1回のペースで発表され、そのときどきのマスコミの劇場報道がそのまま数字に反映される様相になっている。先週について言えば、石原慎太郎と橋下徹の第三極劇場の中継がそのまま数字に貼り付いた。今週の焦点は、嘉田由紀子が脱原発で一つの極を作り、リベラル勢力を結集できるかというところにあり、これに成功すれば、来週初めに発表される世論調査に若干の変動が生じるだろう。告示まで残り1週間、告示から投票まで2週間、告示を過ぎると、そこから大きく投票動向が変わることはない。これまでの選挙では、告示段階の情勢がバンドワゴン効果で拡大し、小選挙区制の特性で優勢側の圧勝という結果に導かれてきた。自民は11/21の選挙公約の発表で、改憲だの国防軍だのと極端な右翼路線を打ち出したが、マスコミはそれを平静に受け止め、世論調査に反映させることもしなかった。自民が公約した改憲の是非について、国民の反応を調査数字で示したマスコミはない。周到に隠している。