この年末年始は1/4に休みを取れば9連休になります、と昨夜(11/18)のNHKの7時のニュースで紹介があった。その長い休暇を利用して、ヨーロッパなど遠くの海外へ旅行する人が増えていますと、小郷知子が嬉しそうな顔で言っていた。モンサンミシェルやブランデンブルク門やサグラダ・ファミリアの映像を背景に、近畿日本ツーリストの営業が登場し、この機会にどうぞとセールストークを言う。公共放送の電波を使って旅行会社のCMをニュース仕立てで流していた。例によって銀座で「街の声」を拾い、いかにもそれっぽい感じの人間を出し、「ヨーロッパに行こうと思っている」と言わせた。ヤラセのセリフであることが見え見えだ。前回の「リベラルと中間層」の
記事で、テレビ報道が、その中でも特にNHKが、放送を届ける標準的視聴者として都市の富裕層に近い人々に照準を合わせているのではないかと指摘したが、その仮説を検証する有力な材料を得た思いがする。無論、こういう人々も事実としているだろう。けれども、それは日本の国民の一般的な現実とは違う。むしろ、多くはそれとは逆の暗く重い空気の中で生きている。今年、冬のボーナスの支給額は全産業平均で昨年比
4.36%減となった。景気判断は4か月連続で
下方修正、7-9月のGDPは前期比0.9%減(年率換算3.5%減)で、輸出と内需の落ち込みが深刻に響いている。10-12月はもっと数字が悪化するだろうと予想されている。