先週末、9/29(土)と9/30(日)、TBSが報道特集とサンデーモーニングの二つの番組で日中関係を取り上げていた。これまでの日本のマスコミにない良心的な報道で、安堵させられる気分になった。報道特集では、特に中国側の取材を担当した日下部正樹の姿勢が印象的で、個人のレベルでは日中の間には深い交流が続いていて、其処此処に感動のドラマがあり、人と人との堅い信頼の絆があるのだというメッセージを発信していた。この国家間の紛争がなるべく拡大しないように、感情的な諍いを大きくしないように、日中に関係する個々人や事業者に災禍が及ぶ方向に流れないように、食い止めるように、報道の立場として精一杯の努力をしている姿が窺われた。本来、マスコミの者は尖閣問題の報道についてこのように臨まなくてはならないのであり、政治家が扇動するナショナリズムを助長してはいけないのだ。ナショナリズムの要素はまさに感情であり、それはマスコミ報道の如何によって高揚もするし、逆に抑制されたり沈静化されたりもする。古舘伊知郎や大越健介は、反中世論に迎合して徒に中国への不信を煽り、日本の右翼や政府の主張を正当化し、中国への憎悪を掻き立てる言動ばかりで埋めていて無責任きわまりない。この日中の緊迫の中で、テレビで発言する者は、在留邦人の身の安全を考え、日中間で仕事する者のことを慮り、言葉を選ばなくてはいけない。