報ステがまた悪い方へ逆戻りを始めている。今度は、朝日新聞が古舘伊知郎の足を引っ張る動きだ。これまで、報ステでは三陸の避難所にカメラを据え、ナレーションなしで淡々と被災した人々の姿を追い、生の証言を拾って撮る小さな特集を毎日続けてきた。その映像の一つ一つが素晴らしく、心を締めつけられ、同時に心を癒されてきた。取材と撮影が(NHKのヤラセ方式のように)出しゃばらず控えめで、それ以上に、登場する三陸の人々が謙虚で慎ましく礼儀正しく、人間として気高く美しく立派で、いつも感動で胸が溢れる思いだった。現場に入ったスタッフ自身が心を動かされている様子が手に取るように分かり、報道側が何も余計な手を加えず、完成度の高い珠玉のショート・ドキュメンタリーに仕上がっていた。そのシリーズの放送が昨夜(6/20)で打ち切りになった。代わりに、政局報道が前面に出て来た。この静謐で清冽なシリーズが続いている間、古舘伊知郎の姿勢が変わり、政局には目も呉れなくなり、永田町の醜悪な騒動に対して怒りと蔑みの言葉を吐き捨てていた。三陸と永田町の人間のコントラストを示す番組になっていた。どうやら、朝日本社から指令が降り、反動復活への転機が訪れたようで、昨夜から
新企画が始まり、第1回目は、何と養老孟司が傲岸に出て来て、原発維持論の不愉快な妄言を並べていた。