前回の記事で、東電と政府は作為的に汚染水を海に排水しているのではないかと疑ったが、週末の報道を見ながら、その疑惑がいちだんと強くなった感がする。最新(4/3)の報道では、2号機のトレンチ(塹壕)と繋がる電源ケーブル補修用のピット(坑道)に亀裂が生じ、そこから汚染排水が海に漏れ出ているのを発見したという事実になっている。そして、水を固めるポリマーを投入したが、流出は止められなかったと説明されている。しかし、汚染水が海に勢いよく流れ出ている映像を見ると、報道で言うような「壁の亀裂から流れ出ている」という感じではなく、いかにもそこに水道管か何かの通路の構造があるように窺われる。東電と報道と関係者は、それを偶発的なアクシデントの結果のように言うが、実際には、海に排水を流し込むためのルートを苦肉の策で切開したのではないのだろうか。その理由は、注入し続ける大量の水を収納する設備がなく、タンカーであれメガフロートであれ、一隻や二隻の配備では足りなくなるからである。要するに、その場凌ぎの手段として海(環境)への排水を選択しているわけだ。この作為的処理は、先週のトレンチの汚染水報道あたりから妙に怪しい気配があり、海に垂れ流すぞという意思の暗黙の表示へ繋げるべく、順番に伏線が張られていたように思われてならない。情報は当局によって周到に計画的に小出しされていて、原発報道はコントローラブルな発信形式になっている。