一夜明けると、「嫌疑不十分」での不起訴が大々的に報道されていた。
朝日新聞も1面トップで出ていて、朝のテレビ各局のワイドショーも同じ情報を一斉に伝えている。昨夜(2/2)、検察幹部からマスコミにリークがあったということだ。しかも、このリークの発信元は最高幹部で、おそらく検事総長の樋渡利秋だろう。こんな情報を下っ端が流せるはずがない。
TBSの報道では、検察内部に不起訴に対して異論も出ているとあり、これは特捜部長の佐久間達哉を指すのだろう。本当のところは蓋を開けてみないと分からない。嫌疑不十分の不起訴が最終結論であれば、事実上、これは検察の敗北に近く、小沢一郎は幹事長辞任の必要はなくなる。あれだけ検察の総力を上げた空前の強制捜査をやりながら、証拠を固められず、裁量による起訴猶予にさえ持ち込めなかったということで、検察の捜査失敗の誹りは免れない。同じ不起訴処分でも、嫌疑不十分はシロに近いグレーであり、起訴猶予はクロに近いグレーである。グレーでもシロに近い不起訴なら、小沢一郎に幹事長辞任を迫る刑事責任が生じたとは言えず、すなわち「司法当局の厳正な捜査の結果、刑事責任なしの結論を得た」と開き直って憚ることはない。裏を読めば、報道のとおり嫌疑不十分の不起訴なら、1/31の検察との二度目の事情聴取の席で取引されたのは、幹事長辞任ではなく、可視化法案の提出延期と検察人事への不干渉の二つだったということになる。